POSレジシステムで在庫も一括管理!面倒な作業が時短&効率UPできる在庫管理のコツ

POS・会計

サロン運営における日々の在庫管理、手作業での入力や棚卸しに多くの時間を費やしていませんか。数え間違いや発注ミスといった課題は、店舗経営の悩みの種になりがちです。実は、その面倒な在庫管理業務は、POSレジシステムを導入することで大幅に効率化できます。この記事では、POSレジが在庫管理にもたらす具体的なメリットから、自店に合ったシステムの選び方、そしておすすめのサービスまでを網羅的に解説していきます。本記事を最後までお読みいただくことで、在庫管理を自動化してコア業務に集中し、さらにはデータを活用して売上アップを目指すための具体的な方法が明確になるでしょう。

  1. サロンの在庫管理でこんなお悩みありませんか
    1. 時間と手間に関するお悩み:「いつまでこの作業を続けるの?」
    2. コストと売上に関するお悩み:「見えない損失が積み重なる…」
    3. スタッフと情報共有に関するお悩み:「担当者不在だと、もうお手上げ…」
  2. POSレジで在庫管理を行う5つのメリット
    1. メリット1 リアルタイムで在庫状況を正確に把握
    2. メリット2 面倒な棚卸し作業が圧倒的に楽になる
    3. メリット3 発注ミスや過剰在庫を防ぎキャッシュフローを改善
    4. メリット4 在庫データ分析で売上アップにつなげる
    5. メリット5 複数店舗やECサイトの在庫も一元管理できる
  3. POSレジの基本的な在庫管理機能
    1. 入出庫管理と在庫数の自動反映
    2. 棚卸機能
    3. 発注・仕入れ管理機能
    4. 在庫分析レポート機能
  4. POSレジ導入前に知っておきたい注意点
    1. 導入コストだけで判断しない!総額と内訳の確認を
    2. 既存システムからのデータ移行と連携の互換性
    3. スタッフ全員が使いこなせるか?操作性と教育コスト
    4. トラブル発生時に頼れるサポート体制の重要性
    5. 顧客情報を守るセキュリティ対策は万全か
  5. サロン向けPOSレジ在庫管理システムの選び方3つのポイント
    1. ポイント1 サロンの規模や業態に合っているか
    2. ポイント2 既存の予約システムや会計ソフトと連携できるか
    3. ポイント3 サポート体制は充実しているか
  6. 在庫管理におすすめのサロン向けPOSレジシステム
    1. スマレジ
    2. Airレジ
  7. まとめ

サロンの在庫管理でこんなお悩みありませんか

サロン経営では、お客様への施術や接客に集中したいもの。しかし、バックヤードでの在庫管理に追われ、頭を悩ませているオーナー様は少なくありません。シャンプーやトリートメントなどの店販品から、カラー剤やパーマ液といった施術用の業務用品まで、サロンが扱う商品は多岐にわたります。これらを手作業で管理しようとすると、様々な問題が発生しがちです。あなたは、以下のようなことでお困りではありませんか?

時間と手間に関するお悩み:「いつまでこの作業を続けるの?」

営業後の疲れた体で、手書きの在庫管理表と商品の数を一つひとつ突き合わせる作業にうんざりしていませんか。数え間違いや記入漏れがないか、常に不安がつきまとうものです。 手作業での管理は、どうしてもヒューマンエラーが発生しやすくなります。

月に一度の棚卸しが一大イベントになってしまい、スタッフ総出で何時間も費やしている、といったことはございませんか。本来であれば、技術研修や接客改善に使いたい貴重な時間を在庫管理に奪われていると感じる瞬間もあるでしょう。

表計算ソフトで管理表を作ってはみたものの、入力が面倒でいつの間にか更新が止まってしまったり、担当者しか使い方を把握できていなかったりするケースもよく見られます。

コストと売上に関するお悩み:「見えない損失が積み重なる…」

発注のタイミングが分からず、人気商品の在庫を切らしてしまい、販売機会を逃してしまった経験はありませんか。 お客様におすすめしたい時に商品がないのは、非常にもどかしいものです。 この機会損失は、売上だけでなく顧客満足度の低下にも繋がりかねません。

逆に、キャンペーン用に大量に仕入れた商品が売れ残り、過剰在庫として倉庫のスペースを圧迫している状況も問題です。 使用期限が切れてしまい、泣く泣く廃棄した商材もあるかもしれません。 こうした見えない損失は、気づかぬうちにサロンの利益を圧迫していきます。

どの商品がいつ、どれくらい売れているのか正確なデータがないため、勘や経験に頼った発注になりがちです。その結果、キャッシュフローの悪化につながってしまうことも少なくありません。

スタッフと情報共有に関するお悩み:「担当者不在だと、もうお手上げ…」

在庫管理を特定のスタッフ任せにしていませんか。その担当者がお休みの日に急な発注が必要になったり、在庫数を質問されたりした際に、誰も状況を把握できず業務が滞ってしまった、という事態は避けたいものです。

スタッフによって在庫の数え方や記録方法がバラバラで、管理表の数字が実際の在庫数と合わないことが頻繁に起こるのも悩みの種です。 これでは、正確な経営判断はできません。

複数店舗を経営している場合、店舗間での在庫移動や各店舗の在庫状況の把握がさらに複雑になります。情報共有がうまくいかず、店舗によって在庫の過不足に大きな差が生まれてしまうことも課題と言えるでしょう。

POSレジで在庫管理を行う5つのメリット

これまで手作業やエクセルなどで行っていた在庫管理をPOSレジシステムに切り替えることで、サロン経営に多くのメリットが生まれます。単に業務が楽になるだけでなく、売上向上や経営の安定化にも直結するため、その価値は計り知れません。ここでは、POSレジで在庫管理を行うことで得られる5つの具体的なメリットを詳しく解説します。

メリット1 リアルタイムで在庫状況を正確に把握

POSレジを導入する最大のメリットの一つは、店販品や施術で使用する商材の在庫状況をリアルタイムかつ正確に把握できることです。 お客様への商品販売や施術での利用が発生した際、会計処理と同時にシステム上の在庫数が自動的に更新されます。 これにより、従来の手作業による管理で起こりがちだった数え間違いや記帳漏れといったヒューマンエラーを防ぎ、常に最新の在庫情報を維持することが可能です。

例えば、お客様から特定の商品について問い合わせがあった際に、バックヤードまで確認しに行かなくても、その場で即座に在庫の有無を回答できます。これにより、お客様をお待たせすることなくスムーズな接客が実現し、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。 在庫切れによる販売機会の損失を防ぐことは、売上を確保する上で非常に重要です。

メリット2 面倒な棚卸し作業が圧倒的に楽になる

多くのサロンオーナー様やスタッフを悩ませるのが、時間と手間のかかる棚卸し作業です。営業終了後や休日に、すべての商品を一つひとつ手で数えてリストと照合する作業は、大きな負担となります。しかし、POSレジの在庫管理機能を活用すれば、この棚卸し作業を劇的に効率化できます。

多くのPOSシステムでは、ハンディターミナルやスマートフォンのアプリを使って商品のバーコードをスキャンするだけで、実在庫数を簡単にデータとして取り込めます。 これにより、手作業での数え間違いや入力ミスがなくなり、作業時間が大幅に短縮されるのです。

項目手作業での棚卸しPOSシステムでの棚卸し
作業時間長時間(数時間〜1日以上)大幅に短縮(数十分〜数時間)
正確性数え間違いや入力ミスが発生しやすいバーコードスキャンで正確性が高い
データ集計手作業での集計に時間がかかる自動で集計され、差異も一目でわかる
スタッフの負担大きい(残業や休日出勤の原因に)小さい(通常の業務時間内に完了可能)

システム上の理論在庫と、スキャンしてカウントした実在庫の差異も自動でリストアップされるため、確認作業もスムーズです。 棚卸しにかかる人件費の削減とスタッフの負担軽減は、サロン経営において大きなメリットと言えるでしょう。

メリット3 発注ミスや過剰在庫を防ぎキャッシュフローを改善

「人気商品の在庫を切らしてしまった」「売れない商品を仕入れすぎてしまった」といった経験はございませんか。これらはサロンの資金繰りに直接影響を与える深刻な問題です。POSレジの在庫管理機能は、データに基づいた適切な発注をサポートし、キャッシュフローの改善に貢献します。

多くのPOSシステムには、過去の販売実績データに基づいて、適切な発注タイミングや数量を提案してくれる機能が備わっています。 また、「この商品の在庫が〇個になったら通知する」といった「発注点」を設定しておくことで、発注漏れを防ぐことが可能です。 これにより、人気商品の欠品による販売機会の損失を回避できます。

一方で、過剰在庫は保管スペースを圧迫するだけでなく、サロンの資金繰りを悪化させる大きな原因です。 POSレジで常に正確な在庫数を把握することで、不要な発注を避け、適正在庫を維持しやすくなります。 特に、使用期限のある化粧品などを扱っているサロンにとっては、期限切れによる廃棄ロスを防ぐ上でも極めて有効です。

メリット4 在庫データ分析で売上アップにつなげる

POSレジは、単に在庫数を管理するだけのツールではありません。蓄積された販売データを分析することで、売上アップのための強力なマーケティングツールとして活用できます。 勘や経験だけに頼るのではなく、データに基づいた戦略的な店舗運営が可能になるのです。

例えば、以下のような分析が可能です。

  • ABC分析: 売上への貢献度が高い「売れ筋商品(Aランク)」、中間の「Bランク」、貢献度が低い「死に筋商品(Cランク)」に商品を分類します。 これにより、どの商品を重点的に販売すべきか、またどの商品の仕入れを減らすべきかが明確になります。
  • トレンド分析: 季節や時期によって、どの商品の売上が伸びるかを分析します。 時期に合わせたキャンペーンの企画や、効果的な商品ディスプレイに役立ちます。
  • 顧客データとの連携: 顧客情報と購買履歴を紐づけることで、「どの年代のお客様がどの商品を購入しているか」「リピーターがよく購入する商品は何か」といった、より深い分析が可能です。 お客様一人ひとりに合わせた商品提案や、DMでのアプローチなど、顧客満足度と売上を同時に高める施策に繋げられます。

これらのデータ分析を通じて、無駄な在庫を減らし、売れる商品を確実に提供することで、サロンの収益性を大きく向上させることができるでしょう。

メリット5 複数店舗やECサイトの在庫も一元管理できる

複数のサロンを展開しているオーナー様や、実店舗と並行してECサイト(オンラインストア)で商品を販売している場合、在庫管理はさらに複雑になります。店舗ごとに在庫情報がバラバラだと、店舗間での在庫移動に手間取ったり、ECサイトで在庫がない商品を販売してしまう「売り越し」が発生したりするリスクがあります。

クラウド型のPOSレジシステムを導入すれば、全店舗とECサイトの在庫情報をリアルタイムで一元管理することが可能です。 本部のパソコンや手元のスマートフォンから、いつでもどこでも、全拠点の在庫状況を正確に把握できます。

これにより、以下のようなメリットが生まれます。

  • スムーズな店舗間移動: A店で在庫が切れても、B店に在庫があればすぐにお客様に案内し、移動の手配をかけることができます。
  • 機会損失の防止: 全体の在庫状況を見ながら最適な在庫配置ができるため、店舗ごとの欠品リスクを減らせます。
  • ECサイトとの自動連携: 実店舗で商品が売れると、ECサイトの在庫数も自動で減少します。 これにより、売り越しの心配がなくなり、お客様からの信頼を損なうこともありません。

このように、実店舗とオンラインの垣根を越えたシームレスな在庫管理は、事業規模が大きくなるほど、その重要性を増していきます。

POSレジの基本的な在庫管理機能

POSレジは、単に会計処理を行うだけのツールではありません。サロン経営における在庫管理を劇的に効率化し、売上向上に貢献する多彩な機能を標準で備えています。これまで多くの時間と労力を要していた手作業での在庫管理と比較しながら、POSレジが持つ代表的な4つの在庫管理機能について詳しく解説します。

入出庫管理と在庫数の自動反映

POSレジにおける在庫管理の最も基本的な機能が、入出庫管理とそれに伴う在庫数の自動反映です。 この機能により、商品や施術材料の「今、いくつあるか」をリアルタイムで正確に把握できるようになります。

例えば、店販用のシャンプーやトリートメントを仕入れた際には「入庫処理」を行います。商品のバーコードをスキャナーで読み取るだけで、簡単に入庫登録が完了するシステムがほとんどです。 そして、お客様がその商品を購入し、POSレジで会計処理を行うと、システムが自動的に「出庫」を記録し、即座に在庫データが更新されます

これにより、バックヤードに戻って在庫を確認したり、手作業で在庫管理表を更新したりする手間が一切不要になります。施術で使用するカラー剤やパーマ液などの材料在庫も同様に管理できるため、サロン内のあらゆる在庫情報を一元的に管理することが可能です。

棚卸機能

月に一度、あるいは定期的に行う棚卸作業は、サロン運営において不可欠ですが、非常に手間のかかる業務の一つです。POSレジの棚卸機能は、この面倒な作業の負担を大幅に軽減します

多くのPOSシステムでは、ハンディターミナルやスマートフォンのアプリなどを利用して、商品のバーコードをスキャンするだけで実在庫数をカウントできます。 スキャンしたデータは即座にPOSシステムに送られ、システム上の在庫データと自動で照合されます。これにより、手作業での数え間違いや入力ミスといったヒューマンエラーを防ぎ、正確かつスピーディーな棚卸が実現します。

万が一、データ上の在庫数と実際の在庫数に差異があった場合でも、その差分がレポートとして明確に表示されるため、原因の特定や改善策の検討が容易になる点も大きなメリットです。

発注・仕入れ管理機能

欠品による販売機会の損失や、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化は、サロン経営において避けたい事態です。POSレジの発注・仕入れ管理機能は、こうしたリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。

多くのシステムには、あらかじめ設定した在庫数を下回ると自動で通知してくれたり、発注候補リストを作成してくれたりする「発注点管理(自動発注アラート)」機能が搭載されています。 この機能を活用することで、担当者の経験や勘に頼ることなく、適切なタイミングで適切な量の商品を発注できるようになり、発注忘れや発注ミスを防ぐことが可能です。

また、過去の販売データに基づいて需要を予測し、最適な発注量を提案してくれるシステムもあります。これにより、常に店舗の在庫を最適な状態に保ち、キャッシュフローの改善にも繋がります。

在庫分析レポート機能

POSレジに蓄積された在庫データは、単に数を管理するためだけのものではありません。データを分析し、経営戦略に活かすことで、さらなる売上アップを目指すことができます。在庫分析レポート機能は、そのための強力なツールです。

代表的な分析手法に「ABC分析」があります。 これは、売上への貢献度が高い順に商品をA・B・Cの3ランクに分類し、どの商品に注力すべきかを明確にする手法です。 POSレジを使えば、ボタン一つで簡単にABC分析のレポートを作成できます。

ランク特徴管理方針の例
Aランク売れ筋商品。売上全体の大部分を占める。絶対に欠品させないよう、重点的に管理する。常に在庫を厚めに持ち、発注頻度も高く設定する。
BランクAランクほどではないが、安定して売れている商品。現状の売れ行きを維持しつつ、Aランクに育てられないか販促などを検討する。
Cランク死に筋商品。売上が少なく、在庫として滞留しがち。在庫を圧縮し、場合によっては取り扱いの中止を検討する。過剰在庫になりやすいため、発注は慎重に行う。

このような分析を通じて、売れ筋商品を把握し、欠品による機会損失を防ぐ一方で、あまり売れていない「死に筋商品」の仕入れを抑制することが可能になります。 これにより、無駄な在庫を減らし、より効率的なサロン経営を実現できるのです。

POSレジ導入前に知っておきたい注意点

POSレジの導入は、サロンの在庫管理を劇的に効率化させる大きな可能性を秘めています。しかし、そのメリットを最大限に引き出すためには、導入前にいくつかの注意点を理解しておくことが不可欠です。高機能なシステムを導入したにもかかわらず、「うまく使いこなせない」「かえってコストがかさんでしまった」といった失敗に陥らないよう、以下のポイントを慎重に確認しましょう。

導入コストだけで判断しない!総額と内訳の確認を

POSレジの導入を検討する際、最初に目が行きがちなのが初期費用です。しかし、「初期費用0円」といった言葉だけに惹かれて判断するのは非常に危険です。POSレジにかかるコストは、導入時にかかる「初期費用」と、継続的に発生する「ランニングコスト」の2つに大別されます。トータルでいくらかかるのか、長期的な視点で費用を把握することが重要です。

具体的にどのような費用が発生するのか、下の表で確認してみましょう。

費用の種類主な内訳注意点
初期費用ハードウェア購入費(iPadなどのタブレット、レシートプリンター、キャッシュドロア等) POSシステム導入設定費 ネットワーク工事費タブレット端末を既にお持ちの場合は費用を抑えられますが、推奨スペックを満たしているか確認が必要です。周辺機器はセット販売がお得な場合もあります。
ランニングコストシステム月額利用料(プランによって変動) キャッシュレス決済手数料 オプション機能利用料(顧客管理、予約連携など) サポート費用(保守契約料など)決済手数料は利用する決済ブランドによって料率が異なります。また、電話サポートが有料オプションになっているサービスもあるため、サポート範囲は契約前に必ず確認しましょう

近年では、国が中小企業のITツール導入を支援する「IT導入補助金」などの制度も活用できます。導入コストを抑えるために、こうした補助金の利用を検討するのも一つの有効な手段です。詳細については、中小企業庁のウェブサイトなどで最新の情報を確認することをおすすめします。

既存システムからのデータ移行と連携の互換性

現在、顧客管理や予約管理に別のシステムやExcelを利用している場合、それらの大切なデータを新しいPOSレジシステムへスムーズに移行できるかは、非常に重要なチェックポイントです。データの移行が手作業になると、膨大な時間と労力がかかるだけでなく、入力ミスによって顧客情報を失うリスクも伴います。

多くのPOSレジシステムでは、CSVファイル形式でのデータインポート・エクスポート機能が備わっています。 これにより、既存の顧客台帳や商品リストを一括で取り込むことが可能です。また、API連携(Application Programming Interfaceの略で、異なるソフトウェアやサービス間で機能を連携させる仕組み)に対応しているシステムであれば、現在お使いの予約システムや会計ソフトとデータを自動で同期させることもできます。 導入前に、データ移行の具体的な手順や、連携可能な外部サービスの種類について、提供元にしっかりと確認しておきましょう。

スタッフ全員が使いこなせるか?操作性と教育コスト

どんなに多機能で優れたPOSレジでも、実際に毎日操作する現場のスタッフが使いこなせなければ意味がありません。 特に、デジタル機器の操作に不慣れなスタッフがいる場合、操作が複雑なシステムは敬遠され、結果として一部の機能しか使われないといった事態になりがちです。

導入を決定する前に、無料体験期間やデモンストレーションを活用し、実際にスタッフに操作してもらう機会を設けることが極めて重要です。直感的に操作できるか、日々の業務フローに合っているか、といった点を複数人でチェックすることで、導入後の定着がスムーズになります。また、導入時のトレーニングや分かりやすい操作マニュアルが提供されるかどうかも、教育にかかる時間やコストを左右する大切な要素です。

トラブル発生時に頼れるサポート体制の重要性

「レジがフリーズして会計ができない」「決済端末が反応しない」といったシステムトラブルは、お客様をお待たせしてしまい、サロンの信頼に直接影響を与えます。 万が一の事態に備え、迅速かつ的確に対応してくれるサポート体制が整っているかは、POSレジを選ぶ上で見過ごせないポイントです。

サポート体制を確認する際は、以下の点をチェックすると良いでしょう。

  • サポート対応時間: サロンが営業している土日祝日や夜間も対応しているか。
  • サポート方法: 電話、メール、チャットなど、どのような問い合わせ方法があるか。緊急時に迅速な対応が期待できる電話サポートの有無は特に重要です。
  • サポートの範囲: 基本料金に含まれるサポートはどこまでか。訪問サポートや特別な設定は有料オプションになっていないか。

安心してサロン運営を続けるためにも、導入実績が豊富で、サポート体制が充実しているベンダーを選ぶことを強く推奨します。

顧客情報を守るセキュリティ対策は万全か

POSレジは売上データだけでなく、お客様の氏名、連絡先、来店履歴といった極めて重要な個人情報も扱います。 万が一、これらの情報が外部に漏洩した場合、お客様からの信頼を失うだけでなく、損害賠償問題に発展する可能性も否定できません。

そのため、POSレジ提供事業者がどのようなセキュリティ対策を講じているかを確認する必要があります。 具体的には、通信の暗号化、不正アクセス防止策、データのバックアップ体制などをチェックしましょう。 また、スタッフごとに操作権限を設定できるアクセス管理機能があれば、内部からの情報漏洩リスクを低減できます。 プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得しているかどうかも、事業者の信頼性を判断する一つの基準となります。

サロン向けPOSレジ在庫管理システムの選び方3つのポイント

POSレジシステムは、今やサロン経営に欠かせないツールの一つですが、数多くの製品の中から自店に最適なものを見つけ出すのは容易ではありません。特に在庫管理は、サロンの利益に直結する重要な業務です。ここでは、POSレジの導入で失敗しないために、在庫管理の観点から特に重視すべき3つの選び方のポイントを詳しく解説します。

ポイント1 サロンの規模や業態に合っているか

まず最も重要なのは、サロンの現在の規模や事業の形態、そして将来の展望に合ったシステムを選ぶことです。 オーナー1人で運営する個人サロンと、複数のスタッフを抱える大型店や多店舗展開するサロンとでは、必要となる機能やコスト感が大きく異なります。自店の状況に合わない高機能すぎるシステムは月額費用が無駄になったり、逆に機能が不足していると結局手作業が発生し、業務効率化の妨げになったりする可能性があります。

サロンの規模や業態によって、POSレジに求める機能は異なります。以下の表を参考に、ご自身のサロンに必要な機能が備わっているかを確認しましょう。

サロンの規模主な特徴と必要な機能
個人・小規模サロンオーナー自身が施術から会計、在庫管理まで行うことが多いのが特徴です。そのため、直感的でわかりやすい操作性が求められます。基本的なレジ機能、売上管理、顧客管理、シンプルな在庫管理機能があれば十分な場合が多いでしょう。初期費用や月額料金を抑えられる無料プランや低価格帯のプランがあるシステムがおすすめです。
中規模・多店舗展開サロン複数店舗の在庫状況を本部で一元管理できる機能は必須です。 店舗間の在庫移動や、全店舗の売上データを横断的に分析する機能が求められます。 また、スタッフごとに操作権限を設定できるセキュリティ機能や、勤怠管理機能なども重要になります。クラウド型のシステムであれば、どこからでもリアルタイムに各店舗の状況を把握できるため、多店舗展開には特に適しています。

また、美容室、ネイルサロン、エステサロンといった業態による特性も考慮する必要があります。例えば、美容室であればカラー剤などの材料を細かく管理できる機能、ネイルサロンであればパーツのような細かい商材をバーコードで管理できる機能、エステサロンであれば回数券やコース契約と店販品の販売履歴を連携できる機能があると、より効率的な在庫管理が実現します。

ポイント2 既存の予約システムや会計ソフトと連携できるか

POSレジを単独のシステムとして導入するのではなく、現在サロンで利用している他のシステムと連携できるかどうかは、業務効率を飛躍的に向上させる上で非常に重要なポイントです。 データが連携されていないと、予約情報や売上データをPOSレジと会計ソフトそれぞれに二重で入力する手間が発生し、入力ミスなどのヒューマンエラーの原因にもなりかねません。

特に以下のシステムとの連携は、優先的に確認することをおすすめします。

  • 予約システム
    ホットペッパービューティーなどの外部予約サイトや自社の予約システムと連携できれば、予約情報が自動でPOSレジに反映され、来店時の会計処理がスムーズになります。 予約と同時に顧客情報も登録されるため、カルテの準備や管理も効率化できるでしょう。
  • 会計ソフト
    freeeやマネーフォワード クラウドといったクラウド会計ソフトと連携することで、POSレジで締め処理した一日の売上データが自動で会計ソフトに取り込まれます。 これにより、日々の記帳作業や確定申告の負担を大幅に軽減することが可能です。
  • 決済端末
    クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、多様化するキャッシュレス決済への対応も必須です。 連携可能な決済端末の種類や手数料を確認し、お客様の利便性を高められるようにしましょう。
  • ECサイト
    オンラインで店販品を販売している場合、ECサイトの在庫と店舗の在庫を一元管理できると非常に便利です。 どちらかで商品が売れた際に、もう一方の在庫数も自動で更新されるため、売り越しなどのトラブルを防ぐことができます。

導入を検討しているPOSレジの公式サイトで連携可能な外部サービスを確認したり、問い合わせたりして、自店の運営に必要な連携が実現できるか必ずチェックしましょう。

ポイント3 サポート体制は充実しているか

POSレジは日々のサロンワークの根幹を支えるシステムです。万が一、「レジが開かない」「決済ができない」といったトラブルが発生した場合、お客様にご迷惑をおかけし、売上にも直接的な影響が出てしまいます。そのため、トラブル発生時に迅速かつ的確に対応してくれるサポート体制が整っているかは、安心してシステムを使い続けるために不可欠な要素です。

料金プランだけで選んでしまうと、「問い合わせはメールのみ」「対応は平日昼間だけ」といったケースも少なくありません。導入前に、以下の点をしっかりと確認し、比較検討することが重要です。

チェック項目確認するポイントの例
問い合わせ方法緊急時にすぐ相談できる電話サポートはあるか。メールやチャットでの問い合わせも可能か。
対応時間サロンが営業している土日祝日や夜間も対応しているか。受付時間は何時から何時までか。
サポートの範囲導入時の初期設定や操作方法のレクチャーは含まれるか。ハードウェアの故障時に代替機の貸し出しなどはあるか。
費用サポートは月額料金に含まれているか、それともオプションで別途費用がかかるのか。

多くのPOSレジメーカーでは、導入前の無料相談やデモンストレーションを実施しています。こうした機会を活用して、実際の操作感だけでなく、担当者の対応やサポートの質なども見極めることをお勧めします。導入後の安心感を大きく左右するため、システムの機能性や価格だけでなく、長期的な視点で信頼できるパートナーを選びましょう。

在庫管理におすすめのサロン向けPOSレジシステム

サロン運営の心強い味方となるPOSレジシステムは数多く存在しますが、それぞれに特徴や強みがあります。ここでは、特に在庫管理機能に定評があり、多くのサロンで導入実績のある3つのPOSレジシステムを厳選してご紹介します。自店の規模や業態、将来の展望に合わせて最適なシステムを見つけるための参考にしてください。

スマレジ

「スマレジ」は、小売店や飲食店など幅広い業種で導入されているクラウド型POSレジです。その高いカスタマイズ性と豊富な機能から、美容サロンでの導入実績も多数あります。 在庫管理においては、無料プランでも基本的な在庫管理機能が利用できる手軽さが大きなメリットです。 まずはコストを抑えてPOSレジでの在庫管理を試してみたいというサロンオーナー様に最適といえます。

さらに、有料の「リテールビジネスプラン」にアップグレードすることで、より高度な在庫管理が可能になります。 店舗間の在庫移動や、ECサイトとの在庫連動、詳細な在庫分析など、事業の拡大に合わせた機能拡張がスムーズに行えるのが強みです。 顧客管理機能も充実しており、会計情報と紐づけてお客様の購入履歴を管理することで、的確な商品提案にも繋がります。 将来的に多店舗展開やオンライン販売を視野に入れているサロンにとって、有力な選択肢となるでしょう。

項目内容
特徴無料で始められ、業種や規模に合わせてプランや機能を柔軟に拡張できる高いカスタマイズ性。
在庫管理の主な機能【無料プラン】基本的な在庫登録・管理
【有料プラン】複数店舗の在庫一元管理、在庫変動履歴、発注・仕入・検品、棚卸機能、ABC分析など
料金(税込)スタンダードプラン:月額0円
プレミアムプラスプラン:月額8,800円/店舗
リテールビジネスプラン:月額15,400円/店舗
※別途、周辺機器費用が必要
対応端末iPad, iPhone
公式サイトスマレジ公式サイト

Airレジ

「Airレジ(エアレジ)」は、リクルートが提供するPOSレジアプリで、初期費用・月額費用が0円で利用できる点が最大の魅力です。 iPadまたはiPhoneとインターネット環境があればすぐに始められるため、特に個人サロンや開業したばかりの店舗におすすめです。基本的なレジ機能に加え、商品ごとの在庫数の登録や管理、在庫状況の一覧確認といった在庫管理機能を標準で搭載しています。

Airレジ単体では発注管理や高度な分析機能はありませんが、「Airマーケット」を通じて様々な外部サービスと連携することで機能を拡張できます。 例えば、会計ソフトと連携すれば売上データを自動で取り込み、確定申告の手間を大幅に削減することが可能です。まずはシンプルに、そして低コストでPOSレジによる在庫管理をスタートしたいと考えるオーナー様にとって、最適な選択肢の一つです。

項目内容
特徴初期費用・月額費用が無料で、誰でも簡単に始められるシンプルな操作性。
在庫管理の主な機能商品ごとの在庫数管理、在庫一覧確認、棚卸機能
料金(税込)月額0円
※別途、iPadや周辺機器費用が必要
対応端末iPad, iPhone
公式サイトAirレジ公式サイト

まとめ

本記事では、サロン運営における面倒な在庫管理を、POSレジシステムでいかに効率化できるかについて解説しました。手作業による在庫管理は、時間や手間がかかるだけでなく、数え間違いや発注ミスといったヒューマンエラーの原因にもなりがちです。

POSレジを導入することで、販売データと連動して在庫数がリアルタイムで自動更新され、正確な在庫状況をいつでも把握できるようになります。これにより、面倒な棚卸し作業が大幅に楽になるだけでなく、発注の最適化によるキャッシュフロー改善や、在庫データを活用した売上アップ戦略にもつなげることが可能です。

POSレジの在庫管理システムを選ぶ際は、サロンの規模や業態に合っているか、既存システムと連携できるか、そしてサポート体制が充実しているか、といった点が重要な判断基準となるでしょう。この記事でご紹介した選び方のポイントやおすすめのシステムを参考に、ぜひ自店に最適なPOSレジを導入し、業務効率化と売上向上を実現してください。

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