サロンへのキャッシュレス決済端末の導入を検討しているものの、手数料の安さや導入費用の負担が気になり、一歩踏み出せないでいませんか。キャッシュレス決済端末は数多く存在し、どれが自分の店舗に合っているのか比較するのは難しいものです。この記事では、サロンオーナー様が失敗しないための選び方の5つの比較ポイントを分かりやすく解説します。さらに、導入費用0円で始められるおすすめの決済端末を5つ厳選し、それぞれの特徴を徹底比較しました。本記事を最後まで読めば、あなたのサロンにぴったりの一台が見つかり、コストを抑えながら顧客満足度と売上向上を実現する方法が明確になるでしょう。
サロンに必須のキャッシュレス決済端末 選び方の5つの比較ポイント
キャッシュレス決済の導入は、今やサロン経営においてお客様の利便性を高め、売上向上のために不可欠な要素となっています。しかし、決済端末を提供するサービスは数多く存在し、「どれを選べば良いかわからない」と悩むオーナー様も少なくありません。なんとなく選んでしまうと、後々の利益に大きく影響する手数料や、日々の業務効率に関わる操作性で後悔する可能性があります。ここでは、サロンに最適な一台を見つけるための5つの重要な比較ポイントを、優先順位の高い順に詳しく解説します。
比較ポイント1 決済手数料の安さ
キャッシュレス決済を導入する上で、最も重要視すべきなのが「決済手数料」です。これは売上の一部を決済サービス会社に支払うもので、長期的に見ればサロンの利益に直接影響を与える固定費となります。わずか0.1%の違いでも、年間の売上額によっては数万円単位の差額になることも珍しくありません。
決済手数料の相場は、決済方法によって異なります。一般的にクレジットカードが3%台、QRコード決済が2%~3%台、電子マネーが3%前後とされています。 サービスによっては、特定のクレジットカードブランドの手数料を低く設定している場合や、店舗の業種によって料率が変動することもあります。 そのため、ご自身のサロンで利用されることの多い決済方法の手数料が、できるだけ低いサービスを選ぶことが賢明です。
| 決済方法 | 手数料率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 3.24% 〜 3.74%程度 | 最も普及しており、幅広い顧客層が利用。高額決済にも対応しやすい。 |
| QRコード決済 | 1.98% 〜 3.24%程度 | 若年層を中心に利用者が急増中。キャンペーンによる集客効果も期待できる。 |
| 電子マネー | 1.98% 〜 3.24%程度 | 交通系ICカードなど日常的に利用され、スピーディーな少額決済に適している。 |
手数料を比較する際は、表面的な数字だけでなく、サロンの客層や平均単価を考慮し、どの決済方法が最も利用されるかを予測した上で、トータルコストをシミュレーションすることが成功の鍵となります。
比較ポイント2 導入費用と月額費用
次に確認したいのが、導入時にかかる「初期費用」と、毎月発生する「月額費用」です。特に個人サロンや開業直後の店舗にとっては、初期投資をいかに抑えるかが重要な課題となります。多くの決済サービスが「端末代金0円キャンペーン」などを実施しており、導入のハードルは以前より格段に低くなりました。
ただし、「初期費用0円」という言葉だけに注目せず、その条件を細かく確認することが大切です。例えば、キャンペーン適用には特定の条件があったり、決済端末は無料でも、スマートフォンやタブレット、レシートプリンターなどの周辺機器は別途用意する必要があるケースも少なくありません。 また、月額費用が無料のサービスが多い一方で、一部の多機能なオールインワン端末では月額料金が発生する場合もあります。 月額費用がかかるサービスは、その分サポート体制が充実していたり、POSレジ機能が利用できたりといった付加価値がある場合が多いため、費用対効果を見極める必要があります。
比較ポイント3 対応できる決済ブランドの多さ
お客様が使いたい決済方法に対応していないことは、知らず知らずのうちに顧客を逃す「機会損失」に直結します。対応できる決済ブランドの多さは、お客様の満足度を高め、あらゆるニーズに応えるための重要な要素です。
最低限、以下の主要な決済ブランドには対応しておきたいところです。
- クレジットカード: Visa、Mastercard®、JCB、American Express、Diners Club、Discoverといった主要6ブランドは必須と言えるでしょう。
- QRコード決済: 国内で圧倒的なシェアを誇るPayPayをはじめ、楽天ペイ、d払い、au PAYなど、利用者の多いサービスは押さえておくと安心です。
- 電子マネー: SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーは、駅近くのサロンなどでは特に利用頻度が高まります。 その他、iDやQUICPayも利便性が高いです。
さらに、インバウンド顧客の集客を見込むのであれば、中国で広く使われているAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)、銀聯(UnionPay)への対応も視野に入れると、より多くの顧客を取り込むことが可能になります。
比較ポイント4 入金サイクルの早さと振込手数料
売上が実際に口座へ振り込まれるまでの期間を示す「入金サイクル」は、サロンの資金繰り、いわゆるキャッシュフローに直接影響します。 特に個人経営のサロンでは、売上が手元に入るまでのスピードが経営の安定性を左右する重要なポイントとなります。
入金サイクルは決済サービスによって大きく異なり、主に以下のようなパターンがあります。
- 翌日・翌々日入金: 最もサイクルが早く、現金売上に近い感覚で資金を管理できます。
- 月2回〜6回入金: 月に複数回の入金があり、比較的キャッシュフローを安定させやすいです。
- 月1回入金: 月末締め・翌月払いなど、入金までに時間がかかるため、資金に余裕を持たせた運営計画が必要です。
また、入金の際には「振込手数料」が発生するかも確認が必要です。多くのサービスでは無料ですが、「指定の金融機関のみ無料」「1回の入金額が一定以上で無料」といった条件付きの場合もあります。 入金サイクルと振込手数料はセットで確認し、ご自身のサロンの経営スタイルに合ったサービスを選びましょう。
比較ポイント5 操作性とサポート体制
毎日使う決済端末だからこそ、スタッフ全員が迷わず直感的に使える「操作性の高さ」は非常に重要です。 スマートフォンやタブレットのようにタッチパネルで簡単に操作できる端末や、持ち運びができてお客様の席での会計が可能なポータブル型端末など、サロンのオペレーションに合ったものを選びましょう。
そして、万が一のトラブル時に頼りになるのが「サポート体制」です。「決済ができない」「端末が故障した」といった緊急事態は、お客様をお待たせしてしまい、お店の信用問題にもなりかねません。安心して運用するためにも、以下の点を確認しておくと良いでしょう。
- サポート対応時間: 土日祝日や夜間など、サロンの営業時間内に対応してくれるか。
- 問い合わせ方法: 電話、メール、チャットなど、緊急時にすぐに連絡が取れる手段が用意されているか。
特に機械の操作に不安があるオーナー様や、IT関連の相談ができるスタッフがいない場合は、電話でのサポートが365日受けられるなど、手厚いサポート体制を整えているサービスを選ぶと安心です。
【一覧表】おすすめキャッシュ-レス決済端末の料金・機能を徹底比較
サロン運営で重視すべきキャッシュレス決済端末のポイントは多岐にわたります。ここでは、主要な決済端末5社の「決済手数料」「導入費用」「対応ブランド数」「入金サイクル」などを、ひと目で比較できるよう一覧表にまとめました。ご自身のサロンの規模や客層、資金繰りのスタイルに合わせて、最適な一台を見つけるための参考にしてください。
| サービス名 | Square (スクエア) | Airペイ (エアペイ) | STORES決済 (ストアーズ) | 楽天ペイ (実店舗決済) | stera pack (ステラパック) |
|---|---|---|---|---|---|
| 決済手数料(代表例) | 3.25% (Visa/Mastercard/JCB/Amexなど主要ブランド一律) | 3.24% (QRコード決済はブランドにより異なる) | 3.24% (交通系電子マネーは1.98%) | 2.20%〜3.24% (中小事業者向けプランあり) | 2.70%〜3.24% (Visa/Mastercard) |
| 導入費用(端末代金) | 4,980円〜 (Squareリーダー) | 実質0円 (キャンペーン適用時) | 実質0円 (条件達成で) | 19,700円〜 (楽天ペイ カードリーダー) | 0円 (stera terminal) |
| 月額固定費 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 3,300円 (初年度0円、条件により永年無料) |
| 対応決済ブランド数 | 約25種以上 | 56種以上 | 約38種以上 | 約65種 | 30種以上 |
| 入金サイクル | 最短翌営業日 (三井住友銀行/みずほ銀行) | 月3回または月6回 | 最短翌々営業日(手動入金) 月1回(自動入金) | 最短翌日(楽天銀行) | 月2回または月6回 |
| 振込手数料 | 0円 | 0円 | 0円 (自動入金の場合) | 0円(楽天銀行) 他行は330円 | 0円(三井住友銀行) 他行は220円 |
| レシートプリンター | 端末による (内蔵モデルあり) | 別途必要 | 別途必要 | 端末による (内蔵モデルあり) | 端末に内蔵 |
| サポート体制 | 電話・メール | 電話・メール・チャット | 電話・メール | 電話・メール・チャット | 電話(24時間365日)・メール |
※上記の情報は変更される可能性があります。最新の情報やキャンペーン詳細は、必ず各サービスの公式サイトにてご確認ください。
比較表からわかる各サービスの特徴
この比較表から、それぞれの決済端末が持つ強みが見えてきます。例えば、とにかく早く売上金を手元に欲しい個人サロンであれば、入金サイクルが最短翌営業日の「Square」が非常に魅力的です。一方で、海外からのお客様も多く、幅広い決済手段に対応して販売機会を逃したくないサロンには、対応ブランド数が豊富な「Airペイ」が適しているでしょう。
また、楽天経済圏を頻繁に利用するお客様が多い場合は「楽天ペイ(実店舗決済)」を導入することで、楽天ポイントをフックにした集客効果も期待できます。レジ周りの機器を一台にまとめてスッキリさせたい場合は、プリンター内蔵のオールインワン端末である「stera pack」が有力な選択肢となります。「STORES決済」は交通系電子マネーの手数料が低めに設定されているため、駅近のサロンなど、通勤・通学客の利用が多い場合にメリットが大きいです。
このように、ご自身のサロンの状況と、表に記載された各項目の特徴を照らし合わせることで、導入すべき決済端末の候補を絞り込むことができます。次の章では、この中から特におすすめの5つの端末について、さらに詳しく解説していきます。
導入費用0円で始められるキャッシュレス決済端末おすすめ5選
キャッシュレス決済の導入を検討する際、多くのサロンオーナー様が懸念されるのが初期コストです。しかし、現在では端末代金が実質0円になるキャンペーンや、月額費用がかからないサービスが増えており、気軽に始められる環境が整っています。ここでは、特にサロンでの利用におすすめの、導入費用を抑えられる決済端末を5つ厳選してご紹介します。
Square(スクエア) 最短当日から利用開始できる手軽さが魅力
Square(スクエア)は、申し込みから審査完了までが非常にスピーディーで、最短当日から利用開始できる手軽さが最大の魅力です。 スタイリッシュでコンパクトな端末は、サロンの雰囲気を損ないません。無料のPOSレジアプリも提供されており、売上管理や顧客管理も簡単に行えるため、開業したばかりの個人サロンや、初めてキャッシュレス決済を導入するオーナー様に特におすすめです。
また、入金サイクルが最短翌営業日と非常に早く、振込手数料も指定の銀行であれば無料なため、キャッシュフローの安定にも繋がります。 決済手数料はどのカードブランドでも一律で分かりやすい点も人気の理由です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入費用 | 0円~(端末による) |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.25%~ |
| 対応ブランド | Visa, Mastercard, American Express, JCB, Diners Club, Discover, PayPay, 交通系ICなど |
| 入金サイクル | 最短翌営業日(三井住友銀行・みずほ銀行の場合) |
| 振込手数料 | 0円(指定銀行以外は週1回締めの自動振込で無料) |
Airペイ(エアペイ) 56種の決済ブランドに対応し機会損失を防ぐ
Airペイ(エアペイ)は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済、ポイント決済まで、非常に多くの決済ブランドに対応している点が大きな強みです。お客様が希望する決済方法が使えないことによる機会損失を最小限に抑えることができます。現在実施中の「キャッシュレス導入0円キャンペーン」を利用すれば、iPadとカードリーダーが無料で貸与されるため、iPhoneかiPadさえあれば初期費用をかけずに導入可能です。
また、振込手数料がどの金融機関でも無料である点や、会計業務を効率化するPOSレジアプリ「Airレジ」と連携できる点も、サロン運営において大きなメリットとなるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入費用 | 0円(キャンペーン適用時) |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.24%(一部2.48%になるプログラムあり) |
| 対応ブランド | Visa, Mastercard, JCB, American Express, 交通系IC, iD, QUICPay, PayPay, d払い, 楽天ペイなど56種以上 |
| 入金サイクル | 月3回または月6回 |
| 振込手数料 | 0円(全金融機関) |
STORES決済(ストアーズ) 入金サイクルの早さで個人サロンにも人気
STORES決済(ストアーズ)は、入金サイクルの早さに定評があり、キャッシュフローを重視する個人サロンや小規模店舗から高い支持を得ています。 手動入金を選択すれば、最短で翌々日には売上が振り込まれるため、運転資金を素早く確保したいオーナー様に最適です。 また、自動入金に設定すれば振込手数料が無料になるなど、事業規模や状況に合わせて柔軟な運用が可能です。
交通系電子マネーの決済手数料が業界最安水準である点も特徴の一つ。お客様が日常的に利用する決済手段をお得に導入できるのは嬉しいポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入費用 | 0円(キャンペーンで端末代19,800円が無料) |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.24%(交通系ICは1.98%) |
| 対応ブランド | Visa, Mastercard, American Express, JCB, 交通系IC, QUICPay, WeChat Payなど |
| 入金サイクル | 手動入金:最短翌々日 / 自動入金:月末締め翌月20日払い |
| 振込手数料 | 自動入金:0円 / 手動入金:10万円以上で0円(10万円未満は200円) |
楽天ペイ(実店舗決済) 楽天経済圏の集客効果が期待できる
楽天ペイ(実店舗決済)を導入する最大のメリットは、日本最大級の会員数を誇る楽天経済圏のユーザーへのアプローチが可能になることです。 お客様は楽天ポイントを貯めたり、支払いに使ったりできるため、楽天ユーザーの来店動機に繋がり、新規顧客の獲得やリピート率の向上が期待できます。
入金口座を楽天銀行に指定することで、売上は翌日に自動で入金され、さらに振込手数料も無料になります。 普段から楽天のサービスを利用しているサロンオーナー様にとっては、非常に親和性が高く、メリットの大きい決済サービスと言えるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入費用 | 0円(キャンペーンでカードリーダー代19,800円が無料) |
| 月額費用 | 0円 |
| 決済手数料 | 3.24% |
| 対応ブランド | 楽天カード, Visa, Mastercard, American Express, JCB, 楽天ペイ, 楽天Edy, 交通系IC, QUICPay, au PAYなど |
| 入金サイクル | 翌日自動入金(楽天銀行の場合) |
| 振込手数料 | 0円(楽天銀行の場合)/ その他金融機関は330円 |
stera pack(ステラパック) 決済からレジ機能まで揃うオールインワン端末
stera pack(ステラパック)は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など30種類以上の決済方法に1台で対応できるオールインワン端末「stera terminal」が特徴です。 レシートプリンターも内蔵されているため、レジ周りがすっきりと片付き、スマートな会計を実現できます。
他のサービスと異なり月額費用が発生しますが、「お試しプラン」を利用すれば初年度の月額費用が無料になります。 また、充実したサポート体制や、顧客管理・販促に活用できるアプリが標準搭載されている点も魅力です。 決済だけでなく、店舗運営全体の効率化を図りたいオーナー様に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入費用 | 0円 |
| 月額費用 | 3,300円(税込)※お試しプランで初年度無料 |
| 決済手数料 | 2.70%~(スタンダードプラン)/ 1.98%~(スモールビジネスプラン) |
| 対応ブランド | Visa, Mastercard, JCB, American Express, 交通系IC, iD, QUICPay, 主要QRコード決済など30種以上 |
| 入金サイクル | 月2回または月6回 |
| 振込手数料 | 0円(三井住友銀行の場合)/ その他金融機関は220円 |
サロンオーナーがキャッシュレス決済端末を導入するメリット
キャッシュレス決済の導入は、お客様の利便性を高めるだけでなく、サロンの経営そのものに多くの好影響をもたらします。経済産業省の発表によると、2023年の日本国内におけるキャッシュレス決済比率は39.3%に達し、その利用は年々拡大しています。 この流れに対応することは、もはやサロン経営において不可欠と言えるでしょう。ここでは、サロンオーナーが決済端末を導入することで得られる具体的なメリットを多角的に解説します。
販売機会の損失を防ぎ、新規顧客獲得につながる
お客様が「今日は現金の持ち合わせが少ないから、予定していたヘッドスパはやめておこう」と考えてしまう場面は、サロンにとって大きな機会損失です。キャッシュレス決済に対応していれば、お客様は手持ちの現金を気にすることなく、追加メニューや高額なコース、店販商品などを選びやすくなります。 また、クレジットカードやQRコード決済のポイントを貯めたい、キャンペーンを利用したいといったニーズを持つお客様も少なくありません。 多様な決済手段を用意しておくことで、これまで取りこぼしていたかもしれない新しいお客様を呼び込むきっかけにも繋がるのです。
客単価アップが期待できる
キャッシュレス決済は、お客様の心理的な支払いハードルを下げる効果が期待できます。現金払いの場合、財布の中身が支払いの限度額となりますが、クレジットカードやスマートフォン決済であればその制約がありません。そのため、お客様は「せっかくだから、もう少し良いトリートメントを試してみよう」「気になっていたヘアオイルも一緒に購入しよう」といったように、プラスアルファの消費に繋がりやすく、結果として客単価の向上が見込めます。 実際に、キャッシュレス決済の方が現金決済よりも支出額が増える傾向があるという調査結果もあります。
現金管理の手間とリスクを大幅に削減
日々の現金管理は、サロンオーナーやスタッフにとって大きな負担となりがちです。キャッシュレス決済を導入することで、これらの業務を劇的に効率化できます。 具体的にどのような手間やリスクが削減されるのか、以下の表で比較してみましょう。
| 業務内容 | 現金のみの場合 | キャッシュレス決済導入後 |
|---|---|---|
| レジ締め作業 | 売上金の計算と在高確認に時間がかかる。計算ミスも発生しやすい。 | 売上データが自動集計されるため、作業時間が大幅に短縮され、ミスも防止できる。 |
| 釣銭の準備 | 毎日、銀行で両替する必要があり手間がかかる。 | 釣銭の必要量が減り、両替の手間と手数料を削減できる。 |
| 売上金の管理 | 盗難や紛失のリスクが常にある。銀行への入金作業も負担となる。 | 売上金は自動で口座に入金されるため、盗難・紛失のリスクがなくなり安全。 |
| 人的ミス | お釣りの渡し間違いなど、人的ミスが発生する可能性がある。 | 自動で決済が完了するため、金銭授受のミスがなくなる。 |
衛生的な会計で顧客に安心感を提供
特に美と健康を扱うサロンにおいて、衛生管理は非常に重要です。新型コロナウイルス感染症の流行以降、お客様の衛生意識は格段に高まりました。 キャッシュレス決済、特にカードやスマートフォンをかざすだけの非接触型決済は、お客様とスタッフ間での現金の受け渡しが不要なため、接触機会を減らし衛生的な会計を実現します。 このような配慮は、お客様に安心感を与え、サロンの信頼性向上にも繋がる大切な要素です。
インバウンド(訪日外国人)需要に対応できる
海外では日本以上にキャッシュレス化が進んでいる国が多く、訪日外国人観光客の多くはクレジットカードやスマートフォンでの支払いを好みます。 特に欧米からの観光客は現金を持ち歩かない習慣が根付いており、キャッシュレス決済が使えないことは、来店を諦める理由になりかねません。 クレジットカードはもちろん、中国で主流のAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)などに対応することで、インバウンド需要を確実に取り込み、売上拡大の大きなチャンスとすることができます。
会計データを活用したサロン経営の分析
キャッシュレス決済端末を導入すると、売上データが自動的に蓄積されていきます。多くの決済サービスでは、専用の管理画面から「どの決済方法が」「いつ」「どれくらい利用されたか」といった情報を簡単に確認できます。 これらのデータを分析することで、曜日や時間帯ごとの売れ筋メニューの傾向を把握したり、客層に合わせたキャンペーンを企画したりと、データに基づいた戦略的なサロン経営が可能になります。POSレジと連携すれば、顧客情報と紐づけたさらに詳細な分析も実現できるでしょう。
キャッシュレス決済端末の導入方法とかんたんな流れ
キャッシュレス決済端末の導入は、複雑な手続きが必要だと思われがちですが、実際にはいくつかのステップを踏むだけでかんたんに完了します。決済代行会社を利用すれば、複数の決済ブランドとの契約も一度に申し込めるため、手間を大幅に削減できるでしょう。ここでは、申し込みから利用開始までの具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:利用したい決済代行会社を選ぶ
はじめに、どの決済代行会社を利用するかを決めます。この記事で紹介している「Square」や「Airペイ」などのサービスは、それぞれ手数料率や対応ブランド、入金サイクルなどに特徴があります。ご自身のサロンの規模や客層、将来の事業計画に最も合ったサービスを選ぶことが、長期的なコスト削減と売上向上への第一歩です。各社のウェブサイトで詳細な情報を確認し、不明な点があれば問い合わせてみましょう。
ステップ2:オンラインで申し込みと必要書類の準備
利用したい決済代行会社が決まったら、公式ウェブサイトの申し込みフォームから手続きを進めます。多くの場合、画面の指示に従って店舗情報や代表者情報などを入力するだけで完了します。申し込みと並行して、審査に必要な書類を準備しましょう。必要な書類は、個人事業主か法人かによって異なります。
| 必要書類の例 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 本人確認書類 | 運転免許証、パスポートなど | 代表者のものが必要 |
| 登記事項証明書(登記簿謄本) | 不要 | 必要(発行から3ヶ月以内など) |
| 店舗情報が確認できるもの | 店舗の外観・内観の写真、ウェブサイトのURLなど | 店舗の外観・内観の写真、ウェブサイトのURLなど |
| 営業許可証など | 美容所開設届出済証明書など(業種による) | 美容所開設届出済証明書など(業種による) |
書類に不備があると審査に時間がかかってしまうため、事前にしっかりと確認し、漏れなく準備することがスムーズな導入の鍵となります。
ステップ3:加盟店審査
申し込み情報と提出書類をもとに、決済代行会社および各決済ブランドによる加盟店審査が行われます。この審査は、店舗が実在し、提供するサービス内容が適正であるかなどを確認するために実施されるものです。審査期間は決済サービスによって異なり、最短で申し込み当日から数営業日、長い場合は数週間かかることもあります。 特に、ウェブサイトやSNSに「特定商取引法に基づく表記」が正しく掲載されているかは重要なチェックポイントとなるため、事前に確認しておくと安心です。
ステップ4:決済端末の設置と初期設定
無事に審査を通過すると、決済代行会社から決済端末が発送されます。 端末がサロンに届いたら、利用開始に向けた最終準備として初期設定を行いましょう。多くの決済端末は、以下の手順でかんたんに設定できます。
- 決済端末本体を充電する
- スマートフォンやタブレットに専用アプリをインストールする
- サロンのWi-Fiに接続し、アプリと決済端末をBluetoothでペアリングする
- アプリにログインし、画面の指示に従って初期設定を完了させる
設定方法は各サービスのマニュアルで詳しく解説されており、専門的な知識はほとんど必要ありません。もし設定でつまずいた場合でも、カスタマーサポートに連絡すれば丁寧に対応してもらえます。
ステップ5:利用開始とスタッフへの共有
初期設定が完了すれば、いよいよキャッシュレス決済の受付を開始できます。お客様に分かりやすいよう、レジ周りに対応可能な決済ブランドのステッカーを貼ったり、SNSで告知したりするのがおすすめです。また、お客様を待たせないスムーズな会計を実現するため、事前にスタッフ間で操作方法のトレーニングを行うことが非常に重要です。実際に決済操作や取消処理などを練習し、全員が自信を持って対応できるようにしておきましょう。
キャッシュレス決済端末の比較でよくある質問
キャッシュレス決済端末の導入を検討しているサロンオーナー様から寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。比較検討の際の疑問や不安を解消し、ご自身のサロンに最適な一台を見つけるための参考にしてください。
Q. 個人事業主や開業したばかりのサロンでも導入できますか?
はい、個人事業主の方や開業直後のサロンでも、ほとんどのキャッシュレス決済サービスに申し込むことが可能です。申し込みの際には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)や、事業内容を確認するための書類(開業届の控えや、店舗のWebサイトURLなど)の提出が求められることが一般的です。サービスによっては、店舗や施術内容の写真が必要になる場合もありますので、事前に各サービスの公式サイトで必要書類を確認しておくと手続きがスムーズに進みます。
Q. 審査にはどのくらいの期間がかかりますか?
審査期間は申し込む決済サービスによって大きく異なります。一般的には、申し込みから審査完了まで数営業日から2週間程度かかることが多いです。しかし、中にはSquare(スクエア)のように、オンラインでアカウントを登録すれば最短当日からカード決済の受付を開始できるサービスもあります。急いで導入したい場合は、審査スピードも重要な比較ポイントになるでしょう。ただし、審査期間はあくまで目安であり、申し込み内容や時期によって変動する可能性がある点にご留意ください。
Q. 決済端末がなくてもスマートフォンだけで決済は可能ですか?
はい、可能です。専用の決済端末がなくても、お持ちのスマートフォンやタブレットを決済端末として利用できるサービスが増えています。これは「スマホ決済」や「タブレット決済」と呼ばれ、主に2つの方法があります。
- QRコード決済:お客様が提示するQRコードをスマホのカメラで読み取る、もしくはお店側が表示したQRコードをお客様に読み取ってもらうことで決済が完了します。
- スマホのタッチ決済:専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットに、お客様がクレジットカードや電子マネーをかざすだけで決済が完了する仕組みです。iPhoneであれば「Tap to Pay」、Androidであれば「Tap on Phone」といった機能を利用します。
これらの方法は、高価な専用端末を購入する必要がないため、初期費用を抑えたいサロンや、訪問美容サービスなど店舗外で決済する機会がある場合に特に便利です。
Q. 「導入費用0円」の端末で、他に隠れた費用はありますか?
「導入費用0円」や「端末代金0円」のキャンペーンは非常に魅力的ですが、決済手数料以外にも費用が発生する可能性はあります。契約前には以下の点を確認しておくことが重要です。
| 確認すべき費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 振込手数料 | 売上金が指定口座に入金される際に発生する手数料です。特定の金融機関口座を指定すれば無料になる場合や、入金額が一定以上で無料になるケースがあります。 |
| 月額固定費 | 一部のサービス、特に多機能なオールインワン端末では、月額のシステム利用料や固定費がかかることがあります。 |
| 通信費 | 決済端末をインターネットに接続するためのWi-Fi環境や、SIMカードの通信料は自己負担となります。 |
| 周辺機器の費用 | レシートを印刷するためのプリンターや、現金を管理するキャッシュドロワーなどを別途購入する場合、その費用がかかります。 |
契約全体でかかるトータルコストを把握し、ご自身のサロンの規模や売上予測と照らし合わせて判断することをおすすめします。
Q. お客様が利用できる支払い方法(一括、分割、リボ)は選べますか?
お客様が利用できる支払い方法は、導入する決済サービスや契約内容によって異なります。多くの決済代行サービスでは、基本的な支払い方法は「一括払い」のみとなっています。高単価なメニューや物販商品を扱うサロンで、お客様の利便性を高めるために分割払いやリボ払いを導入したい場合は、それらの支払い方法に対応しているかどうかが重要な選定基準になります。サービスによっては、分割払いやリボ払いの導入に際して別途クレジットカード会社との契約や追加の審査が必要になることもありますので、申し込み前に必ず確認しましょう。
Q. POSレジや会計ソフトとの連携はできますか?
はい、多くのキャッシュレス決済端末は、POSレジアプリやクラウド会計ソフトとの連携機能を備えています。POSレジとは「Point of Sale(販売時点情報管理)」の略で、売上管理や顧客管理、在庫管理などを一元的に行えるシステムのことです。
決済端末と連携させることで、会計時にお金額を二度打ちする手間がなくなり、ミスを防止できるだけでなく、日々の売上データが自動で集計・分析されるため、サロン経営の効率が格段に向上します。例えば、「Airペイ」は「Airレジ」と、「STORES決済」は「STORESレジ」と連携できるほか、「freee会計」や「マネーフォワード クラウド」といった主要な会計ソフトと連携できるサービスも多いです。現在お使いの、あるいは導入を検討しているPOSレジや会計ソフトに対応しているかを確認することをおすすめします。
Q. インボイス制度には対応していますか?
現在提供されている主要なキャッシュレス決済サービスは、2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応しています。適格請求書発行事業者の登録番号をレシートや領収書に印字する機能などが搭載されていますので、ご安心ください。ただし、登録番号の設定などはご自身で行う必要があります。インボイス制度への対応は、特に法人のお客様や、経費で落としたい個人のお客様にとって重要となりますので、スムーズな対応ができるサービスを選ぶと良いでしょう。
Q. 端末が故障した場合や操作で困った際のサポート体制はどうなっていますか?
万が一のトラブルに備え、サポート体制の充実は非常に重要です。特に、お客様の目の前で決済エラーが起きた場合など、迅速な対応が求められます。サポート体制を比較する際は、以下の点を確認しましょう。
- サポート窓口の種類:電話、メール、チャットなど、どのような問い合わせ方法があるか。
- サポート対応時間:平日の日中のみか、土日祝日や夜間も対応しているか。サロンの営業時間内に対応してもらえるかは重要なポイントです。
- 端末の保証:故障した際の修理や交換の対応はどのようになっているか。無償交換の条件なども確認しておくと安心です。
決済はサロンの売上に直結する重要な業務ですので、料金だけでなく、安心して利用できるサポート体制が整っているかをしっかりと見極めることが大切です。
まとめ
本記事では、サロン経営に欠かせないキャッシュレス決済端末について、5つの比較ポイントと導入費用0円から始められるおすすめのサービスを詳しく解説しました。最適な一台を選ぶためには、決済手数料の安さだけでなく、導入費用や月額費用、対応ブランドの多さ、入金サイクルの早さなどを総合的に比較検討することが重要です。
例えば、とにかく手軽に始めたいなら「Square」、対応できる決済手段の多さで機会損失を防ぎたいなら「Airペイ」、入金の早さを重視する個人サロンには「STORES決済」が有力な選択肢となるでしょう。また、楽天経済圏の集客力を活かしたい場合は「楽天ペイ」、一台でレジ機能まで完結させたいなら「stera pack」が適しています。
キャッシュレス決済の導入は、顧客満足度の向上や業務効率化に直結する重要な施策です。この記事で紹介した比較ポイントや各サービスの特徴を参考に、ご自身のサロンの規模や客層に最も合った決済端末を選び、スムーズな店舗運営を実現してください。

