ヘアドネーションに必要な長さとは?条件・送り方・受付団体をご紹介!

サロンワークお役立ち情報

有名人も参加していることで、注目が高い『ヘアドネーション』。
ヘアサロンを経営したり勤めていたりする方にとってはもちろん、一般の方でも「ヘアドネーションに興味はあるけど、どうすれば良いの?」という方が増えています。
今回は、認知度が高まってきた分さまざまな情報が錯綜しているヘアドネーションについて、条件や送り方、受付団体などについてご紹介します。

ヘアドネーションとは?

ヘアドネーションとは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った18歳未満の子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動です。

ヘアドネーションを行うメリット

ヘアドネーションは、社会貢献ができること、ロングヘアの髪型を楽しめることの2つの大きなメリットがあります。ここではメリットについてご紹介します。

社会貢献ができる

ヘアドネーションで自分の髪を寄付することで、誰かの自信や笑顔を支えることができます。

髪の毛は切ったら本来はゴミとなって処分されるもの。しかしそれを有効に活用することで社会貢献につながります。美容院でカットするついでに寄付できる手軽さも魅力です。

ロングヘアの髪型を楽しめる

ヘアドネーションをするためには、少なくとも31cm以上の長さが必要です。そのため、髪を伸ばしている間に、ロングヘアならではのアレンジやヘアスタイルを楽しめるのもメリットのひとつと言えるでしょう。

ヘアドネーションで提供する毛髪の条件

①31cm以上の長さがあること

・15~30㎝
フルウィッグとしては長さが足りません。短いものはヘアドネーションとして寄付されるのではなくインナーキャップウィッグにしたり、シャンプーなどを研究開発するメーカーの評価毛にしたり、美容師さんが練習で使用するカットマネキン用として転売されウィッグ製作費の一部として役立てられたります。

・31~50㎝
寄付できる長さがこちら。医療用フルウィッグのショートヘアやボブスタイルの素材として役立てられます。

・51㎝以上
ロングヘアのウィッグの素材として理想的な長さです。需要としては一番多いですが、現状の供給は一番少ないものです。

1人分のフルウィッグをつくるためには、ショートヘアで1体あたり30~50人分の毛髪を、ロングヘアでは50~70人分くらいの毛髪が必要になります。

現在、子ども達に提供する医療用ウィッグをつくるためには31㎝以上の長さが必要です。なぜなら、寄付した長さをそのままをウィッグにできるわけではなく、製法の段階で約半分の長さでしか仕上げることができないためです。

②カラー、パーマ、ブリーチヘアでもOK

ヘアドネーションに提供する毛髪の髪色は問われません。子ども達の中にはおしゃれを楽しみたい子もいるので、派手なカラーをしていたり白髪があったりしてもOK。

癖毛やパーマ、縮毛矯正、ブリーチしていてもOKですが、軽く引っ張ってすぐに切れてしまうということがなければ髪にダメージがあっても問題ありません。

量については、少量からでも寄付が可能です。

③完全に乾いていること

濡れた状態でカットした毛束は、時間が経っても湿った状態となり、数ヶ月の保管や輸送の間に雑菌やカビが発生してしまう可能性があります。すると、せっかく寄付しても残念ながら利用できない髪となってしまいます。

そのため、ヘアドネーションで提供する毛髪は完全に乾燥した状態でカットされた毛束であることが条件です。

ヘアドネーションの手順

乾いた髪をいくつかの束にして輪ゴムでとめる

まず、髪を十分に乾かします。次に、乾いた髪がバラバラにならないようにいくつかの束に分けましょう。その後、髪の量に合わせて3〜5束(毛量が多い方は5〜8束)に分けて輪ゴムでしっかりとめます。

束の太さはバラバラにならないよう、均等にするのがポイント。こうすることで、カット後に髪がバラけてしまうことなく、まとまった状態で送ることができます。

輪ゴムでとめた部分より1~2cm上からカット

髪を束ねたら、次はいよいよカットの工程です。

ヘアドネーションでは、輪ゴムでとめた部分より1〜2cm上の位置で切るのが基本。これは、カットした髪がバラバラにならないようにするためです。

自分でカットする場合はできるだけまっすぐ切ることを意識してくださいね。また、長さが足りなくならないようにあらかじめ必要な長さを確認しておくのも忘れずに。

髪がきれいな状態で寄付できるようにカット後の毛先が揃うように切りましょう。

カットした髪を一束にまとめる

カットが終わったら、バラバラにならないようにすべての束をひとつにまとめます。まとめるときに、ほかの人の髪と混ざらないように注意しましょう。新しい輪ゴムやヘアゴムを使うと、髪が固定されるため、輸送中の乱れを防げます。

長い髪の場合は、根元だけでなく、髪の真ん中あたりにも輪ゴムをつけると、まとまりやすくなりますよ。受け取る方が使いやすいようにきれいに整えましょう。

ヘアドネーション団体に送る

髪の毛をカットしたら、ヘアドネーション団体に送りましょう。

再度、髪が乾いていて清潔であることをチェックして、ビニール袋などに入れて保護しましょう。このとき、ラップやティッシュなどで包まずそのまま封入してください。

ビニール袋を封筒に入れて、団体の公式サイトなどで送付先を確認して指定の方法で郵送します。念のため封筒は追跡機能付きのものがおすすめです。

髪の毛の寄付には、団体ごとにルールが定められている場合があるので、必ずチェックしてから送りましょう。サロンが代行して送付できる場合と、寄付されるご本人からの送付のみ受け付けている場合があるので、ご注意ください。

ヘアドネーションの受付団体

国内の主なヘアドネーション受付団体は現在3つあります。各団体によって、受付可能な髪の長さや送付方法が異なりますので、以下のページをご参照のうえ、ご検討ください。

NPO法人 Japan Hair Donation & Charity(JHD&C)

2009年に国内で初めて、ヘアドネーション活動に取り組み始めた大阪を拠点とする団体です。タイにあるアデランスの工場でJIS規格取得の医療用ウィッグをつくっています。

チャリティコラボレーションやチャリティファンディング活動により、「髪を伸ばせずヘアドネーションはできないけれど協力したい」という方にも、シャンプーやタオルの販売や募金付きのプロダクトやヘアにまつわるアイテムを開発するなど、ヘアドネーションに関わる間口を広く用意されています。

Japan Hair Donation & Charity ホームページ

NPO法人 HERO

宮城県を拠点とするヘアドネーション受付団体です。2011年東日本大震災後、幼稚園、保育園、児童施設などにおいてオリジナルヒーロー『破牙神ライザー龍』を起用して、年間200回を超す「防災教室」「リズム体操教室」等のボランティア活動を行っています。

2016年より全国の子どもたちを対象として、完全オーダーメイドの人毛による医療用ウィッグをプレゼントするヘアドネーションプロジェクトを推進しています。ウィッグをつくるための寄付も受け付けています。

NPO法人HERO HAIR DONATION PROJECT

つな髪プロジェクト

大阪に本社があり、北海道から九州まで店舗を持つ女性用ウィッグの制作やメンテナンスをする株式会社グローウィングが行うCSR活動として行われているヘアドネーション受付プロジェクトです。

2016年よりヘアドネーションプロジェクトを開始し、医療用ウィッグ専門店を運営しているのでことで、15cm以上の長さからつくれるインナーキャップウィッグにも対応し、敏感な頭皮に優しいオーガニックコットンをベースにしたウィッグや運動やプールも可能なウィッグ、部分ウィッグなど5種類の医療用ハンドメイドウィッグを提供しています。

つな髪プロジェクト

なお、上記とは異なる一部団体において残念ながら寄付を募った後転売するなどを行う事例もあるようです。せっかくの善意と本当にウィッグの提供を待っている子ども達のためにも、ヘアドネーションの寄付先を検討する際はどうぞお気をつけください。

美容院でヘアドネーションするのもOK

ヘアドネーションは、自分でカットして送るだけでなく、美容院で行うこともできます。

すべての美容院が対応しているわけではないので、予約前に対応可能かをチェックしてくださいね。美容院では必要な長さやカット後のスタイルについて相談しながらできるので、仕上がりを考えながらヘアドネーションに貢献できるのがメリットです。

ヘアドネーションに協賛するということ

ヘアドネーションしたいお客様を受け入れられたり、美容室でヘアドネーションに賛同した活動をするということは、美容室にとっては通常の接客と異なる部分が多く手間は増えることと思います。

しかし、へアドネーションをご希望されるお客様は、目的意識や目標意識の高いお客様でもあります。ヘアドネーションができる31㎝以上まで髪を伸ばし続けることは、約2年以上の月日が必要であり、きちんと伸ばすためには自宅でのケアも行わなければ実現しません。「誰かの役に立てるならば。」「せっかく寄付するならば。」と、髪や頭皮を綺麗にする意識を持っている人がほとんどです。また、ヘアドネーションを知ったことをきっかけに髪を伸ばす選択をする方もいらっしゃり、寄付をするために大切に髪を育てます。

そんなとき、通っているヘアサロンが対応していなければ、ヘアドネーションを目的に対応しているヘアサロンを探されることになります。この出会いは、価値観の結び付きを生みます。このようなお客様こそ長いお付き合いができる関係性を築きやすいでしょう。

ヘアドネーションに協賛することは、病気で闘う子ども達を笑顔にできる貢献活動ですが、それと同時にご来店されるお客様との関係づくりでもあります。髪を綺麗に伸ばす段階でのアドバイスや、長い髪をカットした後のスタイル、更には再びヘアドネーションを目指すかなど、長い期間に渡るコミュニケーションと一定期間での目標達成をお客様と一緒に叶えることができます。美容室の経営方針によって変わることではありますが、お客様との強い結び付きを作りやすいきっかけといえるかもしれませんね。

ヘアドネーション活動でAionyが役立てること

ヘアドネーション等をきっかけにお客様との強い結び付きを築く中で、お客様情報の管理は切り離せません。

Bionly(現Aiony)の電子カルテでは1回の来店ごとに10枚の画像を保存できるので、施術後のビフォー&アフターを欠かさず残すことができ、お客様の情報登録もシンプルで簡単にできる仕組みがあります。美容室に特化したカルテ機能だからこその利用しやすさで、施術や会話の中で得られるお客様の情報をしっかり残し、見返しやすく、管理しやすい電子カルテは、どれだけ多くのお客様が来店されても、接客の強い武器になるはずです。

また、こちらの情報が、ヘアドネーションに協賛することをご検討中のサロン様のお役に立てば幸いです。

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