LINEリッチメニューとは?【初心者向け】作り方から設定、活用事例まで徹底解説

サロンの集客にLINE公式アカウントを活用しているものの、「なかなか予約に繋がらない」「もっとリピーターを増やしたい」とお悩みではありませんか。その課題解決の鍵を握るのが、トーク画面下部に固定表示される「LINEリッチメニュー」の活用です。リッチメニューを効果的に設定することで、お客様を予約ページや公式サイトへスムーズに誘導し、リピート率を大きく向上させることが可能になります。この記事では、リッチメニューの基本的な仕組みから、初心者でも無料デザインツールCanvaを使って簡単におしゃれなメニューを作成する3ステップ、さらには予約率を劇的にアップさせる活用事例まで、網羅的に解説します。この記事を最後まで読めば、明日からすぐにお店の集客に活かせるリッチメニューの設定方法が具体的に理解できるでしょう。

LINEリッチメニューとは サロン運営に欠かせない基本機能

LINEリッチメニューとは、サロンのLINE公式アカウントを運用する上で、今や欠かすことのできない重要な基本機能です。お客様がサロンのアカウントを開いた際に、トーク画面の下部に大きく固定表示されるメニューのことを指します。このメニューは「トーク画面の顔」とも言える存在で、お客様との最初の接点となり、サロンの印象を大きく左右します。

この機能を効果的に活用することで、お客様はわざわざ情報を探す手間なく、予約やメニュー確認といった目的の操作をスムーズに行えるようになります。サロン側にとっては、お客様に最も伝えたい情報を効果的に届け、集客や顧客満足度の向上につなげるための強力なツールとなるのです。

トーク画面下部に固定表示されるメニューのこと

リッチメニューは、LINEのトーク画面を開くとキーボードエリアに常時表示される、タップ可能な画像で構成されたメニューです。お客様がトーク画面を開くたびに必ず目に入るため、サロンの「伝えたい情報」への入り口として非常に高い効果を発揮します。例えば、「予約する」「クーポン」「メニュー一覧」「店舗アクセス」といったボタンを設置しておくことで、お客様はワンタップで目的の情報にたどり着くことが可能です。

この「常時表示」という点が、一度配信するとトーク履歴に埋もれてしまう通常のメッセージとの大きな違いです。リッチメニューと混同されやすい「リッチメッセージ」との違いを、以下の表で確認しておきましょう。

項目LINEリッチメニューLINEリッチメッセージ
表示場所トーク画面の下部(キーボードエリア)に固定表示トーク履歴の中にメッセージとして表示
表示タイミング常時(お客様がトーク画面を開けばいつでも表示)メッセージを配信したタイミングでのみ表示
主な役割Webサイトのヘッダーメニューのような、常設の案内板キャンペーン告知など、タイムリーな情報を届ける広告

このように、常設の総合案内所がリッチメニュー、そして随時お送りするチラシやポスターがリッチメッセージとイメージすると、その役割の違いが分かりやすいでしょう。サロンの魅力を常に伝え続けるためには、リッチメニューの設定が不可欠です。

LINE公式アカウントがあれば無料で利用可能

これほど便利なリッチメニューですが、LINE公式アカウントを開設していれば、特別な申し込みや追加費用なしで利用できる点は、サロンオーナーにとって大きな魅力です。

LINE公式アカウントには、無料で始められる「コミュニケーションプラン」から、より多くのメッセージを配信できる「ライトプラン」「スタンダードプラン」といった有料プランが用意されています。しかし、リッチメニュー機能そのものは、これら全てのプランに標準機能として搭載されているため、アカウントをお持ちであれば誰でもすぐに設定を始めることが可能です。料金プランに関する詳細はLINE公式サイトの料金プランページでご確認いただけます。

つまり、LINE公式アカウントを始めたばかりのサロンでも、コストを一切かけずにお客様の利便性を高め、リピート率向上に繋がるこの強力なツールを導入できるのです。デザイン画像の作成は必要になりますが、その手間をかける価値は十二分にあると言えるでしょう。

サロンがLINEリッチメニューを導入する3つのメリット

LINEリッチメニューは、ただのデザイン機能ではありません。サロンの集客と売上向上に直結する、非常に強力なマーケティングツールです。お客様が日常的に利用するLINEのトーク画面に、サロン専用の窓口を常設できるため、導入することで大きなビジネスチャンスが生まれます。ここでは、サロンがリッチメニューを導入することで得られる具体的な3つのメリットを詳しく解説します。

予約率やリピート率の向上につながる

リッチメニュー導入の最大のメリットは、予約の機会損失を防ぎ、お客様の再来店を自然に促せる点にあります。トーク画面を開けばいつでも予約ボタンが表示されているため、「行きたい」と思った瞬間の熱量を逃さず、スムーズな予約へと繋げることが可能です。

電話予約の場合、営業時間外であったり、お客様が電話をかけづらい状況であったりすると、予約の機会を失ってしまいます。しかし、リッチメニューにWeb予約ページへの導線を設置すれば、24時間365日いつでも予約を受け付けることができ、予約率の向上が期待できます。 さらに、限定クーポンやショップカード(ポイントカード)へのボタンを設置することで、お客様は来店する楽しみやお得感を常に意識し、再来店へのモチベーションが高まるでしょう。 これにより、リピート率の向上と、顧客のファン化を同時に実現できるのです。

お客様を目的のページへスムーズに誘導できる

リッチメニューは、お客様が必要とする情報へ迷わずアクセスできる「案内板」の役割を果たします。 これまでメッセージ配信で断片的に送っていた情報をリッチメニューに集約することで、お客様は過去のトーク履歴を遡る手間なく、いつでも必要な情報にたどり着けます。

例えば、予約ページだけでなく、サービスメニューや料金表、サロンへのアクセス、スタッフ紹介、さらにはInstagramやブログといった各種SNSまで、様々なページへのリンクを設定可能です。これにより、お客様の利便性が向上するだけでなく、サロン側も問い合わせ対応の手間を削減できるというメリットがあります。 お客様が知りたい情報をストレスなく得られる環境は、結果的にサロンへの信頼感にも繋がります。

目的誘導先の例期待できる効果
直接的な集客Web予約、限定クーポン、オンラインショップ予約率・売上の向上、来店促進
情報提供メニュー・料金、アクセス、今月のお休み顧客の利便性向上、問い合わせ対応の削減
ファン化促進スタッフ紹介、Instagram、ブログ、お客様の声親近感の醸成、エンゲージメント向上

ブランディング効果と顧客満足度の向上

リッチメニューは、サロンの世界観を視覚的に伝え、ブランドイメージを確立するための強力なツールです。 サロンのロゴやテーマカラー、コンセプトに合った写真などを用いてオリジナルデザインのリッチメニューを作成することで、トーク画面を開くたびにお客様にブランドイメージを刷り込むことができます。

デザインに統一感を持たせることで、他店との差別化を図り、サロンの専門性や信頼性を視覚的にアピールすることが可能です。 また、前述の通り、お客様が必要な情報にいつでも簡単にアクセスできる状態は、ストレスフリーな顧客体験を提供し、顧客満足度の向上に直結します。 「このサロンのLINEは分かりやすくて便利だ」と感じてもらうことが、お客様との長期的な信頼関係を築く第一歩となるでしょう。

初心者でも簡単 LINEリッチメニューの作り方 3ステップ

LINEリッチメニューは、専門的な知識がなくても簡単な3つのステップで作成できます。この章では、デザイン画像の作成からLINE公式アカウントでの設定、公開までの手順を一つひとつ丁寧に解説しますので、初めての方でも安心して取り組んでみてください。

ステップ1 デザイン画像を作成する

リッチメニューはトーク画面で最も目立つ部分であり、サロンの「顔」ともいえる重要な要素です。そのため、デザインはユーザーの興味を引き、タップしたくなるような魅力的なものにする必要があります。画像を作成する方法はいくつかありますが、おすすめは無料のデザインツール「Canva」を活用する方法です。 CanvaにはLINEリッチメニュー専用のおしゃれなテンプレートが豊富に用意されており、写真やテキストを差し替えるだけで、初心者でもプロのようなデザインを簡単に作成できます。 サロンのブランドカラーや雰囲気に合わせて、統一感のあるデザインを心がけましょう。

デザインを作成する前に、まずLINE公式アカウントで用意されている「テンプレート」の形を決めることが重要です。テンプレートによって分割数やレイアウトが異なり、設定できるボタン(アクション)の数が変わるため、どの情報をどこに配置したいかをあらかじめ考えておきましょう。

ステップ2 LINE公式アカウントで設定を行う

デザイン画像が完成したら、次にお使いのLINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)で設定作業を行います。 パソコンのWeb版管理画面から設定するのがスムーズです。

まず、管理画面にログインし、左側のメニューから「トークルーム管理」内にある「リッチメニュー」を選択して、「作成」ボタンをクリックします。 すると設定画面が表示されるので、以下の項目を順に入力していきましょう。

  1. 表示設定:
    • タイトル: これは管理用の名称です。ユーザーには表示されないため、「通常メニュー」や「キャンペーンメニュー」など、ご自身が管理しやすい名前を付けましょう。
    • 表示期間: リッチメニューをお客様のトーク画面に表示させる期間を設定します。 キャンペーンなど期間限定のメニューでなければ、終了日を数年先に設定しておくことで常時表示が可能です。
    • メニューバーのテキスト: トーク画面下部に表示される「メニュー」と書かれたバーの文言です。これをタップするとリッチメニューの開閉ができます。
    • メニューのデフォルト表示: ユーザーがトーク画面を開いた際に、最初からリッチメニューを表示させておくかを選択します。「表示する」に設定しておくことで、ユーザーの目に留まりやすくなるためおすすめです。
  2. コンテンツ設定:
    • テンプレートを選択: ステップ1で作成したデザイン画像のレイアウトに合ったテンプレートを選びます。
    • 背景画像をアップロード: 作成したデザイン画像をアップロードします。 この際、テンプレートのサイズに合った画像でないとアップロードできないためご注意ください。

ステップ3 アクションを設定して公開する

最後に、分割した画像の各エリアをタップした際にどのような動作をさせるかという「アクション」を設定します。 これこそがリッチメニューの最も重要な機能です。サロン運営で特によく使われるアクションには、以下のようなものがあります。

アクションの種類主な用途と具体例
リンク予約サイト、ホームページ、ブログ、SNS(Instagramなど)といった外部ページへ直接ユーザーを誘導します。
クーポンLINE公式アカウント上で作成したクーポンを表示させます。「限定クーポン」ボタンを設置することで、再来店を効果的に促せます。
テキストタップすると、設定した文字がユーザーから自動で送信されます。 例えば「最新の空き状況」というテキストを設定し、自動応答メッセージと組み合わせることで、予約に関する問い合わせ対応を効率化できます。
ショップカードLINEのポイントカード機能である「ショップカード」を表示させます。 リピート利用の促進につながります。

テンプレートの各エリア(A, B, C…)に対して、プルダウンからアクションの種類を選び、URLや設定したいクーポンなどを指定していきます。全てのアクションを設定し終えたら、最後に「保存」ボタンをクリックすれば完了です。 設定した表示期間になると、友だちになっているユーザーのトーク画面に作成したリッチメニューが自動で表示されます。

デザインで失敗しないためのポイントと画像の推奨サイズ

リッチメニューは、いわばサロンの「顔」となる重要なパーツです。デザインの質がお客様の印象やクリック率を大きく左右するため、細部までこだわって作成することが求められます。この章では、デザインで失敗しないための具体的なポイントと、LINE公式アカウントで定められている画像の推奨サイズについて詳しく解説します。

Canvaを使ったおしゃれなデザイン作成術

「デザインの経験がない」というサロンオーナー様でも、無料デザインツール「Canva(キャンバ)」を活用すれば、プロが作成したような洗練されたリッチメニューを簡単に作ることが可能です。 Canvaには豊富なテンプレートが用意されているため、初心者の方でもいくつかのポイントを押さえるだけで、お客様の心をつかむ魅力的なデザインが完成します。

まず最も大切なのは、サロンのブランドイメージに合ったデザインを心がけることです。 お店のロゴやテーマカラー、WebサイトやSNSで使用しているフォントなどを取り入れ、全体に統一感を持たせましょう。これにより、お客様は視覚的にサロンの世界観を感じ取ることができ、安心感や信頼感につながります。

次に、各ボタンの役割が直感的にわかる視認性の高さも欠かせません。 例えば、「予約」や「クーポン」といったテキストだけでなく、内容を象徴するアイコンを添えることで、お客様は迷うことなく目的の情報を探せます。ボタンはお客様がタップしやすいように、ある程度の大きさを確保し、余白を適切に設けることで、すっきりと見やすいレイアウトに仕上がります。

さらに、お客様の行動を促す工夫も凝らしましょう。「今すぐ予約する」「限定クーポンをGET」のように、具体的で魅力的な言葉(CTA:Call to Action)をボタンに配置することで、クリック率の向上が期待できます。Canvaには様々なフォントやデザイン素材が揃っていますので、サロンの雰囲気に合わせて最適な表現を探してみてください。

LINEリッチメニューの画像サイズとテンプレート

リッチメニューのデザインを作成する際は、LINEが定める画像の仕様を守る必要があります。規定と異なるサイズの画像を設定しようとすると、エラーが表示されたり、意図せず表示が崩れたりする原因となりますので、作成前に必ず確認しておきましょう。

画像の基本的な仕様は以下の通りです。

項目仕様
ファイル形式JPG または PNG
ファイルサイズ1MB以下
画像サイズ(ピクセル)2500px × 1686px (大) または 2500px × 843px (小)

LINEでは、大小2種類のテンプレートサイズが用意されており、大きい方のテンプレート(2500px × 1686px)が推奨されています。 スマートフォンのトーク画面を広く占有するため、お客様への訴求力が高まるというメリットがあります。 画像を作成する際は、LINE公式アカウントの管理画面からダウンロードできるテンプレートガイドを活用すると、分割線の位置が分かりやすく非常に便利です。詳細については、LINE for Businessの公式マニュアルも併せてご確認ください。

せっかく魅力的なデザインを作成しても、サイズが異なるとその魅力は半減してしまいます。必ず指定のサイズで画像を作成し、ファイルサイズが1MBを超えないように注意してください。Canvaなどのデザインツールでは、画像を保存する際にサイズや画質を調整する機能がありますので、うまく活用していきましょう。

サロン集客を加速させるLINEリッチメニュー活用事例5選

LINEリッチメニューは、ただデザイン性をおしゃれにするだけの機能ではありません。お客様の行動をスムーズに促し、サロンの売上向上に直接貢献する非常に強力なマーケティングツールです。多くのサロンがすでに導入し、その効果を実感しています。ここでは、明日からでもすぐに実践できる、集客を加速させるための具体的な活用事例を5つ厳選してご紹介します。

「今すぐ予約」で機会損失を防ぐ

お客様が「このサロンに行きたい」と感じたその瞬間を逃さないことが、予約を取りこぼさないために最も重要です。電話をかけるのが手間だったり、ウェブサイトを探して予約フォームにたどり着くのが面倒だと感じたりするお客様は少なくありません。そのわずかな手間で、お客様は予約を諦めてしまう可能性があるのです。

そこで、リッチメニューで最も目立つ場所に「オンライン予約」や「今すぐ予約」といったボタンを設置しましょう。このボタンをタップするだけで、ホットペッパービューティーやminimoといった予約サイトや、自社で運営する予約ページへ直接アクセスできるように設定します。これにより、予約までのステップが劇的に短縮され、お客様の予約離脱を最小限に抑えることが可能になります。24時間365日、いつでも予約を受け付けられる体制は、お客様にとってもサロンにとっても大きなメリットとなるでしょう。

「限定クーポン」で再来店を促進

サロン経営を安定させるためには、新規顧客の獲得と同時に、一度ご来店いただいたお客様に再び足を運んでもらうことが不可欠です。リッチメニューにLINEの「友だち」だけが利用できる特別なクーポンを用意することで、再来店の強力な動機付けができます。

「LINE限定クーポン」や「リピーター様特典」といった魅力的なボタンを配置し、タップするとクーポンが表示されるように設定します。 この施策は、お客様に「友だちであり続けること」のメリットを感じてもらい、アカウントのブロック率低下にも繋がります。 さらに、「今月のおすすめクーポン」や「雨の日限定トリートメント割引」のように定期的に内容を更新することで、お客様が能動的にリッチメニューをチェックする習慣が生まれ、エンゲージメントの向上も期待できるのです。

「メニュー・料金」で分かりやすく案内

お客様がサロンを選ぶ際、どのような施術が受けられるのか、そして料金はいくらなのか、という点は非常に重要な判断基準です。これらの情報が分かりにくいと、お客様は不安を感じてしまい、予約をためらってしまうかもしれません。リッチメニューに「メニュー・料金」の項目を設けることで、その不安を即座に解消できます。

このボタンから、ウェブサイトのメニューページへリンクさせるのが一般的ですが、タップした際にLINEのトーク画面に直接メニュー情報を送る設定も可能です。お客様が知りたい情報へ瞬時にアクセスできる環境を整えることで、予約への心理的なハードルを大きく下げられます。お客様からの問い合わせ対応に費やす時間を削減できるという、運営上のメリットも見逃せません。 以下の表のように、代表的なメニューを分かりやすくまとめるのも効果的です。

メニュー例料金(税込)施術時間の目安
デザインカット¥6,600約60分
カット+オーガニックカラー¥15,400約120分
髪質改善トリートメント¥8,800約90分

「スタッフ紹介」で親近感を醸成

特に個人サロンや小規模サロンにおいて、「どんな人が施術を担当してくれるのか」という点は、お客様が安心感を得るために非常に大切な要素です。施術者の人柄や得意なスタイルが、リピートの決め手になることも少なくありません。

リッチメニューに「スタッフ紹介」のボタンを設け、各スタッフのプロフィールページや紹介動画、個人のブログなどへリンクさせましょう。得意な技術や施術への想い、趣味などを掲載することで、お客様は来店前にスタッフの人柄に触れることができます。お客様との心理的な距離を縮め、来店前の不安を期待感へと変える効果があります。結果として、スタッフの指名予約の促進や、お客様との長期的な信頼関係の構築に繋がるでしょう。

「Instagram」などSNSへの連携

多くのサロンが、日々のスタイル写真やキャンペーン情報をInstagramなどのSNSで発信しています。しかし、LINEとそれらのSNSが連携できていないために、せっかくの発信が一部のお客様にしか届いていないケースが散見されます。リッチメニューは、これらのSNSへの強力な導線となり得ます。

リッチメニューにInstagramやX(旧Twitter)などのロゴアイコンを配置し、タップすると各SNSアカウントに直接遷移するように設定しましょう。これにより、LINEの友だちを各SNSのフォロワーへと効果的に誘導し、顧客との接点を多角的に強化できます。特に、ヘアカタログとして活用しているInstagramを見てもらうことは、お客様の「こんな風になりたい」という具体的なイメージを喚起し、予約意欲を高める上で非常に有効な手段です。

LINEリッチメニューのよくある質問

LINEリッチメニューをサロンで活用するにあたり、多くのオーナー様が疑問に思われる点や、つまずきがちなポイントについて解説します。トラブルの解決や、より効果的な運用のヒントとしてお役立てください。

リッチメニューが表示されない原因と対処法

「設定したはずのリッチメニューがお客様の画面に表示されない」というご相談は非常によくあります。その原因は一つではなく、管理画面の設定からユーザー側の環境まで様々です。慌てずに一つずつ確認していきましょう。

主な原因とそれぞれの対処法を以下の表にまとめました。特に「表示期間」と「デフォルト表示」の設定ミスは頻繁に見られるケースですので、まずはこちらからご確認ください。

原因対処法
表示期間が過ぎている・未来の日付になっているLINE公式アカウント管理画面(LINE Official Account Manager)でリッチメニューの「表示期間」を再設定します。 期間を定めない場合は、数年先の日付など長期で設定しておくと良いでしょう。
デフォルト表示が「表示しない」になっている管理画面の「メニューのデフォルト表示」項目を確認し、「表示する」に変更してください。 これがオフになっていると、他の設定が正しくてもメニューは表示されません。
サーバーの処理に時間がかかっている設定を変更した直後は、LINEのサーバー側での処理に時間がかかり、すぐに反映されないことがあります。 少し時間をおいてから、再度確認してみてください。
ユーザー側のLINEアプリにキャッシュが残っているユーザーがトークルームを開いたままだと、古い情報(リッチメニューが表示されていない状態)がキャッシュとして残り、変更が反映されない場合があります。 一度トークルームを閉じ、再度開いてもらうよう案内するか、スマートフォンの再起動を試してもらうと解消されることが多いです。

複数のリッチメニューを使い分けることはできるか

はい、可能です。お客様の属性や状況に合わせてリッチメニューを出し分けることで、よりパーソナライズされた情報提供が実現し、顧客満足度の向上に繋がります。

LINE公式アカウントの標準機能では、全てのお客様に同じメニューを表示する「デフォルトリッチメニュー」が基本となります。しかし、Messaging APIを活用した外部ツールを導入することで、お客様ごとに最適化されたリッチメニューの表示が可能になります

例えば、以下のような使い分けが考えられます。

  • 顧客ランクによる出し分け:初めてのお客様と、何度もリピートしてくださっているVIPのお客様でメニュー内容を変更する。
  • 興味関心による出し分け:ネイルメニューによく予約されるお客様にはネイル関連の情報を、ヘアケア商品を購入されたお客様にはホームケアの情報を中心としたメニューを表示する。
  • タブによる切り替え:1つのリッチメニュー内に「ご予約」「メニュー」「求人情報」といったタブを設け、限られたスペースで多くの情報を提供することもできます。

このような高度な設定は、サロンのマーケティング戦略をより細やかで効果的なものへと進化させるでしょう。

リッチメニューのクリック数は分析できますか

はい、LINE公式アカウントの分析機能を使えば、リッチメニューのパフォーマンスを詳細に確認することができます。 どのボタンがどれくらいクリックされているかを把握することは、メニュー改善の第一歩です。

管理画面の「分析」タブから「リッチメニュー」を選択すると、以下の様なデータを確認できます。

  • 表示回数:リッチメニューがユーザーの画面に表示された合計回数
  • クリックユーザー数:リッチメニューを1回以上クリックしたユニークユーザー数
  • エリアごとのクリック数:デザインした各ボタン(エリア)がクリックされた回数
  • クリック率:表示回数に対して各エリアがクリックされた割合

定期的にこれらの数値を確認し、クリック率の低いボタンのデザインや文言を見直すことで、よりお客様をスムーズに目的のページへ誘導できるようになります。例えば、「予約はこちら」よりも「【空き状況を確認】今すぐ予約」の方がクリックされやすいかもしれません。データに基づいた改善を繰り返すことが重要です。

設定したリッチメニューはいつでも変更可能ですか

はい、作成したリッチメニューはいつでも自由に変更・更新が可能です。季節ごとのキャンペーンや新しいサービスの導入に合わせて、柔軟にデザインやリンク先を変更できます。

変更はLINE Official Account Managerから行いますが、いくつか注意点があります。まず、変更内容がすべてのお客様の画面に反映されるまでには、少し時間がかかる場合があります。 これは、ユーザーがトークルームを再度開いたタイミングで新しいメニュー情報が読み込まれるためです。

また、頻繁すぎるデザインの変更は、お客様を混乱させてしまう可能性があります。操作に慣れたお客様がいつものボタンを押そうとしたら場所が変わっていた、という事態は避けたいものです。キャンペーンの切り替えやメニューの改定など、明確な目的があるタイミングで計画的に更新することをおすすめします。

まとめ

本記事では、LINEリッチメニューの基本からメリット、初心者向けの作り方、サロンでの活用事例までを網羅的に解説しました。リッチメニューは、トーク画面の大部分を占めるため、お客様の目に留まりやすく、サロンの「顔」ともいえる重要な機能です。

予約率やリピート率の向上、目的ページへのスムーズな誘導といった集客面での効果が期待できることこそ、多くのサロンがリッチメニューを導入する理由と言えるでしょう。Canvaなどの無料デザインツールを活用すれば、専門的な知識がなくても、誰でも簡単におしゃれなリッチメニューを作成できます。

この記事で紹介した作成のステップやデザインのポイント、活用事例を参考に、ぜひあなたのサロンだけの魅力的なリッチメニューを設定してみてください。お客様にとって使いやすく、サロンの強みが伝わるリッチメニューは、集客を加速させる強力な武器になります。