美容室の経営の中で大事な要素として「生産性」という指標があります。これは、美容師一人あたりが生み出す売上の基準のことで、最低ラインは50万円、安定した経営のためには60万円以上が必要と言われています。生産性は計算方法によって算出することができるので計算して参考にしてみてください。この記事では、美容室経営における生産性の計算方法や、生産性を向上させるために取り組むべきことなどについてご紹介します。
美容室経営における『生産性』とは?
美容室の経営において「生産性」はとても重要な指標になります。
生産性とは美容師一人あたりがどれだけの売上を生み出しているかを示す数値です。
例えば、一人の美容師が1日に何人の顧客を担当し、どれくらいの金額を売り上げたかを計算することで、美容室全体の生産性を測ることができます。
生産性が安定して高い美容室は、売上がしっかり確保できており、経営の基盤が強い状態です。逆に生産性が低下してしまうと、売上が伸び悩み、経営が厳しくなる可能性も。そのため、美容室を経営するうえでは、常に生産性をチェックして必要であれば対策をしていきましょう。
美容室の生産性を数値化して現状を把握しよう
美容室の生産性は計算によって算出することができます。ここでは、計算方法や生産性の平均値をご紹介します。
美容室の生産性の計算方法
美容室の生産性は、売上から材料費などを差し引いた粗利益を、スタッフの労働時間で割ることで算出できます。
例えば、1か月の売上が300万円、材料費が30万円かかるとすると、粗利益は270万円です。仮にスタッフ1人あたりの労働時間が1日8時間×26日で208時間、3人のスタッフがいる場合は、総労働時間は624時間になります。
この場合の生産性は、
270万円÷624時間=約4,327円
となります。
一般的に、生産性が3,000円を下回ると経営の改善が必要とされます。しかし、数字だけを見て判断するのではなく、スタッフの働きやすさにも目を向けることが大切です。たとえば、長時間労働になっているとスタッフの負担が大きく、定着率が下がってしまう可能性があります。生産性を上げるためには、スタッフが無理なく働ける環境を整えて売上を伸ばせる仕組みを作ることが大切です。
経営として安心できるボーダーラインは60万円
美容室の生産性は地域や経営方針によって変わりますが、全国平均は約49万円といわれています。ただ、これはあくまで平均です。実際にはこの数字では経営が厳しい場合もあります。
例えば、厚生労働省のデータによると、美容室の1日の平均客数は10人、1人あたりの客単価は約6,429円です。週1回の定休日がある美容室の場合、1か月の売上は約167万円になります。これを支えるには、美容師1人あたりの生産性が49万円では足りず、少なくとも4人のスタッフが必要になる計算です。
全国的に見ると、多くの美容室では美容師1人あたりの生産性が50万円以下になりがちですが、安定した経営を目指すなら60万円を目標にするのがおすすめと言われています。
生産性を60万円以上に引き上げることで、利益に余裕が生まれ、スタッフの待遇改善や設備投資も可能になります。
美容院の生産性アップのために取り組むべきこと
美容室の生産性を上げるためにできることはいくつかあります。お店の在り方やスタッフの働き方、そしてお客様への対応方法を考えていくことで生産性アップが期待できます。ここでは9つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
美容室の課題を明確にする
まず、美容室が抱えている課題を明確にしましょう。売上が伸び悩んでいるのか、スタッフの負担が大きいのか、リピート率が低いのかなど、具体的な問題点を洗い出すことが重要です。現状を正確に把握して改善すべきポイントを整理することで、適切な対策を打ちやすくなります。
スタッフの働き方を改善する
スタッフのモチベーションが高まる環境を整えることは、生産性向上に直結します。無理なシフトを組むのではなく、適切な労働時間と休息のバランスを整えることで、スタッフの定着率が上がり、結果として売上も伸びるでしょう。
顧客データを分析する
過去の来店履歴や施術内容を分析して、どのメニューが人気なのか、どの時間帯に予約が集中しているのかを把握しましょう。これにより、ターゲット層に合った施策を打ち出しやすくなります。
VIPのお客様像を明確にする
美容室の経営を安定させるためには、リピーターが必要です。年間の利用回数や購買金額を基準に、VIP顧客の基準を決め、特別なサービスを提供することで、長期的な関係を築けるようになります。
対応可能なメニューを増やす
お客様のニーズをチェックして新しいメニューを追加することで、客単価の向上が期待できます。特に、トリートメントやヘッドスパなどの付加価値のあるメニューが人気です。
客数を最大化する
新規顧客の獲得とリピーターの確保の両面を強化することで、安定した売上を確保できます。SNSを活用したプロモーションや、紹介割引制度などの施策がおすすめです。
不要なコストを削減する
経営を安定させるためには、無駄なコストを見直すことも大切です。使われていない高額な設備や必要以上に多く発注している材料、電気や水道などの光熱費など、見直すポイントはいくつもあります。支出をチェックして効率的に経費を削減することで、生産性向上を目指せます。
ストック型戦略で継続的な収益をつくる
売上を安定させるためには、一度きりの来店ではなく、継続的な収益につながる仕組み(ストック型戦略)が必要です。月額制のヘアケアプランや定期的なメンテナンスサービスを提供することで、お客様が定期的に来店する仕組みを作ることができます。リピーターが増えれば、安定した売上が期待できるでしょう。
ツールを導入して生産性&効率化アップを目指す
業務効率化により生産性を向上させる方法もあります。そこで、デジタルツールの導入がおすすめです。例えば、予約管理システムや顧客データ分析ツールを活用すれば、予約の調整がスムーズになり、業務の負担が減ります。また、SNSやオンライン予約を活用することで、より多くのお客様にアプローチでき、集客力も向上します。スタッフの負担を減らしながら生産性を高めることが可能です。
『Aiony』の導入で美容院の生産性向上を目指せます!
美容室の生産性向上のためにデジタルツールの導入がおすすめであることをご紹介しました。
そこで、おすすめしたいツールが『Aiony』です。Aionyには、美容院の生産性向上を目指す経営者の方やスタッフの方にピッタリな機能が豊富です。
機能一覧
美容室の生産性をアップさせて安定した経営を!
美容室の生産性を向上させるためには、現在の美容室の課題を洗い出し、スタッフやお客様のことを考えた戦略を立てていく必要があります。
また、ご紹介したようにAionyを導入して業務の効率化を図り、生産性の向上を目指すのもおすすめです。
Aionyに関するご質問や、その他ご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。