美容室の集客成功の鍵は、自店の強みを明確にし、オンラインとオフライン、新規とリピート施策を戦略的に組み合わせることです。
本記事では、集客方法15選を徹底解説します。Googleマップやインスタグラムの活用法から、安定経営に繋がるリピート戦略まで網羅的に紹介するので、この記事を読んで、あなたのお店に最適な集客のヒントにしてみてくださいね。
美容室の集客で成功するための基本戦略
美容室の集客を成功させるためには、やみくもに流行りの方法へ飛びつくのではなく、まず自店の状況を正確に把握し、戦略の土台を固めることが極めて重要です。
ここでは、あらゆる集客施策の成果を最大化するための、根幹となる3つの基本戦略について詳しく解説します。
自店の強みとターゲット顧客を明確にする
数多くの美容室の中からお客様に選ばれるためには、「誰に、どのような価値を提供するのか」を明確に定義し、発信し続ける必要があります。
この軸がぶれてしまうと、どのような集客方法も効果が半減してしまうでしょう。まずは、自店の「強み」と「ターゲット顧客」の分析から始めましょう。
「強み」とは、競合他社にはない、あるいは他社よりも優れている独自の魅力(USP: Unique Selling Proposition)のことです。
技術力はもちろん、お店のコンセプト、空間デザイン、接客スタイルなど、あらゆる要素が強みになり得ます。
下の表を参考に、自店の特徴を洗い出し、競合と比較することで独自の魅力を再発見してください。
分析項目 | 具体例 |
---|---|
技術・メニュー | 髪質改善トリートメント、ショートカット、デザインカラー、ヘッドスパなど |
コンセプト | オーガニックサロン、メンズ専門、30代からのエイジングケア特化、家族で通えるサロンなど |
空間・設備 | 完全個室、フルフラットのシャンプー台、カフェのような内装、キッズスペース完備など |
サービス・接客 | 丁寧なカウンセリング、マンツーマン施術、ドリンクサービス、早朝営業など |
価格帯 | 高級路線、リーズナブル、サブスクリプション(定額制)など |
次に、その強みを最も魅力的に感じてくれるであろう「ターゲット顧客」を具体的に設定します。
これは「ペルソナ」設定とも呼ばれ、年齢や性別、職業、ライフスタイル、髪の悩みなどを詳細に描くことで、より顧客目線に立ったメッセージを発信できるようになります。
「20代女性」のような曖昧な設定ではなく、「都心で働く28歳の独身女性。仕事柄、髪の傷みが気になっており、週末にリラックスできる空間で質の高いヘアケアを求めている」というように、実在する人物のように具体化することがポイントです。
オンラインとオフラインの集客方法を組み合わせる
現代の顧客は、スマートフォンで情報を収集し、実際の店舗を訪れるという行動が一般的です。
そのため、集客においてもWebを活用する「オンライン集客」と、チラシや紹介などの「オフライン集客」を単体で行うのではなく、連携させて相乗効果を生み出すことが成功のカギとなります。
それぞれの特徴を理解し、自店のターゲット顧客に合わせた最適な組み合わせを見つけましょう。
集客方法 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|
オンライン集客 | ・広範囲の潜在顧客にアプローチ可能 ・データを活用した効果測定が容易 ・ターゲットを細かく絞り込める | ・競合が多く情報が埋もれやすい ・専門的な知識や運用スキルが必要 ・炎上などのリスク管理が求められる |
オフライン集客 | ・地域に密着したアプローチが可能 ・手渡しなどで信頼関係を築きやすい ・Webに不慣れな層にもリーチできる | ・効果測定が難しい ・アプローチできる範囲が限定的 ・印刷費などコストがかかる場合がある |
例えば、「Instagramの広告で新店舗のオープンを認知させ、LINE公式アカウントへの登録を促し、限定クーポンを配布して初回来店に繋げる」といった流れは、オンラインの強みを活かした来店促進(O2O: Online to Offline)の典型的な成功例です。
逆に、「店舗周辺で配布したチラシにウェブサイトへ誘導するQRコードを掲載し、スタイル写真やこだわりを見てもらう」というように、オフラインからオンラインへ繋げることも有効な手段となります。
新規集客とリピート集客のバランスを考える
美容室の経営を長期的に安定させるためには、新しいお客様を呼び込む「新規集客」と、一度来店されたお客様に再び足を運んでもらう「リピート集客」の両輪をバランス良く回していく必要があります。
マーケティングの世界には、新規顧客の獲得コストは既存顧客を維持するコストの5倍かかるという「1:5の法則」があるように、リピーターの育成はコスト効率の面でも非常に重要です。
開業当初や売上が伸び悩んでいる時期は、まずお店の存在を知ってもらうために新規集客に力を入れるべきでしょう。
しかし、ある程度お客様が増えてきた段階でリピート施策を疎かにすると、常に新規顧客を追い求めなければならない自転車操業に陥ってしまいます。
安定経営を実現しているサロンは、既存顧客との関係構築を大切にし、高いリピート率を維持しています。
集客の分類 | 目的 | 重要性 |
---|---|---|
新規集客 | お店の認知度向上、新しい顧客層の開拓、売上の基盤作り | 事業成長のエンジン。これがなければ先細りしてしまう。 |
リピート集客 | 経営の安定化、顧客生涯価値(LTV)の最大化、口コミや紹介の促進 | 安定した収益の柱。顧客との信頼関係が経営を支える。 |
理想的なのは、新規で来店されたお客様が、質の高い技術や接客に満足し、次回来店予約やアフターフォローを通じて自然とリピーターとなり、さらにはそのお客様が知人を紹介してくれる、という好循環を生み出すことです。
そのためには、目の前のお客様一人ひとりに集中すると同時に、経営者として常に新規とリピートのバランスを意識した戦略を立てることが求められます。
【新規顧客向け】オンラインの美容室集-客方法8選
スマートフォンの普及により、お客様が美容室を探す方法は大きく変化しました。新規顧客を獲得するためには、オンラインでの情報発信が不可欠です。
ここでは、即効性の高いものから中長期的に資産となるものまで、8つのオンライン集客方法を具体的に解説します。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール)で地域検索を制する
MEO対策とは、「Map Engine Optimization」の略で、主にGoogleマップ上での検索結果で自店を上位表示させるための施策です。
「地域名+美容室」といったキーワードで検索するモチベーションの高いお客様に対して、最も効果的なアプローチの一つと言えるでしょう。
対策の第一歩は、無料で利用できる「Googleビジネスプロフィール」の情報を充実させることです。
具体的には、以下の項目を正確に、かつ魅力的に設定することが重要です。
- 基本情報(NAP情報)の統一:店舗名、住所、電話番号をホームページやSNSと完全に一致させます。
- カテゴリの正確な設定:「美容室」「ヘアサロン」など、適切なカテゴリを選択します。
- 写真の充実:外観、内観、施術事例、スタッフ写真などを高品質なもので揃え、定期的に追加することで、ユーザーの関心を引きます。
- 口コミへの返信:良い口コミには感謝を、ネガティブな口コミには真摯に対応することで、誠実な姿勢を示し、信頼性を高めます。
- 「投稿」機能の活用:キャンペーン情報や最新のヘアスタイル、臨時休業のお知らせなどを定期的に発信し、アクティブなアカウントであることをアピールします。
これらの情報を最適化することで、Googleからの評価が高まり、地域検索での表示順位向上が期待できます。
まずは自店のGoogleビジネスプロフィールを確認し、情報が不足していないかチェックすることから始めましょう。
ホットペッパービューティーなどポータルサイトを活用する
ホットペッパービューティーに代表される美容系ポータルサイトは、圧倒的な知名度と集客力を誇り、特に新規顧客獲得において即効性が期待できる手法です。
多くのユーザーがエリアやメニュー、クーポンから手軽にサロンを検索・予約するため、掲載することで自店の存在を広く知らせることができます。
一方で、掲載には費用がかかり、価格競争に陥りやすいという側面もあります。
各ポータルサイトの特徴を理解し、自店のターゲット層や戦略に合ったものを選ぶことが重要です。
ポータルサイト名 | 主な特徴 | ターゲット層 |
---|---|---|
ホットペッパービューティー | 国内最大級の利用者数と予約数を誇る。予約・顧客管理システム「サロンボード」が利用可能。 | 20代~30代の女性が中心 |
楽天ビューティ | 楽天ポイントが貯まる・使える点が強み。楽天会員へのアプローチが可能。 | 楽天ユーザー全般、ポイントを重視する層 |
minimo(ミニモ) | サロン単位ではなく、スタイリスト個人が登録する形式。カットモデル募集などにも活用できる。 | 10代~20代の若年層、価格を重視する層 |
ポータルサイトは強力な集客ツールですが、依存しすぎると手数料負担が大きくなります。
あくまでも集客の入り口の一つと捉え、後述する自社ホームページやSNSへの誘導も視野に入れた運用を心がけましょう。
Instagram(インスタグラム)でヘアスタイルを発信する
ビジュアルが重視される美容室にとって、写真や動画がメインのInstagramは非常に相性の良いSNSです。
魅力的なヘアスタイルや施術風景を投稿することで、サロンの技術力や世界観を視覚的に伝え、未来のお客様をファンにすることができます。
Instagram集客を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- プロフィールの最適化:誰に何を伝えたいアカウントなのかを明確にし、予約サイトへのリンク(リットリンクなどの活用も有効)を設置します。
- ハッシュタグ戦略:「#地域名美容室」「#髪質改善トリートメント」「#ショートボブ」など、見込み客が検索しそうなキーワードを複数組み合わせます。
- リール(ショート動画)の活用:施術のビフォーアフターやヘアアレンジ動画は拡散力が高く、新規フォロワー獲得に繋がりやすいです。
- ストーリーズでのコミュニケーション:日常的なサロンの雰囲気や、質問機能を使ったユーザーとの交流で、親近感を醸成します。
単に綺麗な写真を投稿するだけでなく、統一感のあるフィード作りや、ユーザーとの積極的なコミュニケーションを通じて、アカウントを育てていく視点が重要です。
LINE公式アカウントで未来の顧客と繋がる
LINE公式アカウントは、一度接点を持ったお客様と継続的にコミュニケーションを取るための強力なツールです。
店頭で友だち追加を促し、クーポンやお得な情報を配信することで、未来の来店に繋げたり、リピート利用を促進したりする効果が期待できます。
新規集客の観点では、ホームページやSNSに友だち追加の導線を設置し、「友だち追加で初回クーポンプレゼント」といった特典を用意することで、まだ来店には至っていない見込み客と繋がることができます。
一度友だちになってもらえれば、ブロックされない限り、こちらから直接メッセージを届けることが可能です。 予約システムと連携させれば、LINE上で予約が完結するため、お客様の利便性も大きく向上します。
ホームページやブログで信頼性を高める
ホームページやブログは、サロンの「公式な顔」として、信頼性を担保し、独自のブランドイメージを構築するための中心的な役割を果たします。
ポータルサイトやSNSと違い、デザインや掲載情報に制限がないため、サロンのコンセプトやこだわりを自由に表現することが可能です。
充実させるべきコンテンツは以下の通りです。
- コンセプト・こだわり:サロンが大切にしている想いや技術的な強みを伝えます。
- メニュー・料金:分かりやすく、透明性のある料金表示を心がけます。
- スタッフ紹介:スタイリストの得意なスタイルや人柄を伝え、お客様が指名しやすいようにします。
- ヘアカタログ:独自のスタイル写真を豊富に掲載します。
- お客様の声:実際に来店されたお客様の感想は、何よりの信頼の証となります。
- ブログ:ヘアケア情報やトレンドスタイル解説など、専門家としての知識を発信することで、SEO対策(検索エンジン最適化)にも繋がり、「髪の悩み」で検索している潜在顧客にアプローチできます。
24時間365日、サロンの魅力を伝え続けてくれる営業マンとして、戦略的にコンテンツを充実させていきましょう。
リスティング広告やSNS広告でターゲットに直接アプローチ
より積極的に、そしてスピーディーに新規顧客にアプローチしたい場合、オンライン広告の活用が有効です。 主な手法として「リスティング広告」と「SNS広告」があり、それぞれに特徴があります。
- リスティング広告:Googleなどの検索結果画面に表示される広告です。「今すぐ美容室に行きたい」と考えている顕在層に直接アプローチできるため、費用対効果が高い傾向にあります。 「地域名+メニュー名」などで出稿することで、来店意欲の高いユーザーを効率的に集客できます。
- SNS広告(Instagram広告など):地域、年齢、性別、興味関心などで細かくターゲットを絞って配信できるのが最大の強みです。 例えば、「店舗から半径5km以内に住む、美容に興味のある20代女性」といった形で、自店のターゲット層にピンポイントで広告を見せることができます。潜在層への認知拡大に適しています。
どちらの広告も少額から始めることができますが、効果を最大化するためには、費用対効果を常に分析し、ターゲットやクリエイティブ(広告のデザイン)を改善していく運用が不可欠です。
TikTokやYouTubeのショート動画で認知を拡大する
TikTokやYouTubeショートといったショート動画プラットフォームは、特に若年層へのリーチに強く、爆発的な拡散力を持つ媒体です。
エンターテイメント性が高いため、ユーザーに楽しみながらサロンの存在を知ってもらうことができます。
美容室で人気のコンテンツ例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 劇的なビフォーアフター動画:カットやカラーで大変身する様子は、視覚的なインパクトが大きく、ユーザーの満足度も高いコンテンツです。
- ヘアアレンジ解説:自宅でできる簡単なヘアアレンジなどを紹介し、専門家としての価値を提供します。
- お悩み解決コンテンツ:「くせ毛を抑える乾かし方」など、ユーザーの悩みに応える内容は保存されやすく、信頼構築に繋がります。
ショート動画は、完璧さよりも親しみやすさやリアルさが好まれる傾向にあります。
まずはスマートフォンで気軽に撮影し、投稿を続けることで、アカウントの認知を拡大していきましょう。
インフルエンサーマーケティングで話題を作る
インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどで影響力を持つ人物(インフルエンサー)に自店のサービスを体験してもらい、その感想を発信してもらうことで、フォロワーに対して効果的に認知を広げ、信頼性の高い口コミ効果を生み出す手法です。
特に、地域で活動するマイクロインフルエンサー(フォロワー数が数千人~数万人規模)との連携は、費用を抑えつつ、その地域の見込み客へ直接アプローチできるため効果的です。
インフルエンサーの持つ世界観とサロンのイメージが合致しているか、フォロワー層が自店のターゲットと重なっているかを慎重に見極めて依頼することが成功の鍵となります。
【新規顧客向け】オフラインの美容室集-客方法4選
WebやSNSでの集客が主流となりつつある現代においても、地域に根差した美容室にとってオフラインでのアプローチは依然として強力な集客手段です。
特に、スマートフォンの操作に不慣れな層や、地域の情報を大切にする潜在顧客に対しては、オンライン施策以上に効果を発揮するケースも少なくありません。
ここでは、新規顧客の獲得に繋がる具体的なオフラインの集客方法を4つ厳選して解説します。
チラシやリーフレットのポスティング
チラシやリーフレットのポスティングは、店舗の商圏内に住む潜在顧客へ直接アプローチできる、地域密着型の美容室にとって基本かつ効果的な手法です。
一般的な反応率は0.1%~0.3%と決して高くはありませんが、工夫次第でその効果を最大化できます。 1,000枚配布して1人から3人程度の来店が見込める計算となります。
成功の鍵は、ターゲット顧客に響くデザインと、戦略的な配布エリアの選定にあります。
例えば、ファミリー層を狙うなら戸建て住宅が多いエリアへ、単身の若者を狙うならマンションやアパートが密集する地域へ配布するなど、エリアマーケティングの視点が不可欠です。
また、一度の配布で終わらせるのではなく、定期的に配布することで徐々に認知度を高め、美容室を探すタイミングで思い出してもらうことが重要になります。
配布方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自店スタッフによる配布 | コストを最も抑えられる、地域の様子を直接把握できる | 時間と労力がかかる、配布できる範囲が限られる |
新聞折込 | 新聞購読層(主に中高年層)に確実に届けられる、信頼性が高い | 若年層へのリーチが難しい、他のチラシに埋もれやすい |
ポスティング業者への依頼 | 指定したエリアに効率的かつ広範囲に配布できる | 外注コストがかかる、配布の質が業者によって異なる |
チラシには、得意なヘアスタイルの写真を豊富に掲載し、店内の雰囲気やスタッフの顔が見えるようにすると親近感が湧き、安心感を与えられます。
さらに、「このチラシ持参で初回20%OFF」といった限定クーポンを付けることで、来店を促す強力な動機付けとなり、効果測定も可能になります。
地域のフリーペーパーや情報誌への掲載
地域の住民に愛読されているフリーペーパーや情報誌への広告掲載も、有効なオフライン集客の一つです。
媒体が持つ信頼性を活用できるため、新規オープンのサロンでも顧客の安心感を得やすいというメリットがあります。
掲載する際は、単なる広告枠ではなく、編集タイアップ記事としてお店のこだわりやコンセプトを深く掘り下げて紹介してもらうと、読者の興味を引きやすくなります。
例えば、「地域の素敵なサロン紹介」といった特集ページで、施術への想いやスタイリストの得意な技術などをストーリーとして伝えることで、他店との差別化を図ることが可能です。
読者モデルを起用したヘアスタイル企画なども、読者の共感を呼びやすいでしょう。
媒体を選ぶ際には、発行部数や配布エリアはもちろんのこと、読者層が自店のターゲット顧客と一致しているかを必ず確認してください。
例えば、子育てママ向けの情報誌であればキッズカットや親子で利用できる特典を、富裕層向けの雑誌であればヘッドスパや髪質改善トリートメントといった付加価値の高いメニューを訴求すると効果的です。
お客様からの紹介を促すキャンペーン
既存のお客様からの紹介は、広告費を抑えつつ質の高い新規顧客を獲得できる非常に効果的な手法です。
友人や家族からの口コミは信頼性が非常に高いため、来店に繋がりやすく、その後のリピート率も高い傾向にあります。
紹介キャンペーンを成功させるには、紹介する側・される側の双方に魅力的なメリットを用意することが重要です。
特典が紹介するお客様だけに偏ってしまうと、「自分の利益のために友人を売っている」と感じさせてしまう可能性があります。両者が平等にメリットを享受できる仕組みを作りましょう。
紹介したお客様への特典 | 紹介されたご友人への特典 | |
---|---|---|
割引系 | 次回来店時、施術料金20%OFF | 初回施術料金20%OFF |
オプションサービス系 | 通常2,000円のトリートメントを無料でサービス | 人気の炭酸ヘッドスパ(10分)を無料で体験 |
プレゼント系 | 店販商品(ヘアオイルなど)をプレゼント | シャンプー&トリートメントのトラベルセットをプレゼント |
このキャンペーンをただ用意するだけでなく、お会計の際などにスタッフから直接、丁寧にご案内することも忘れてはいけません。
「もし周りに美容室を探しているご友人がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください」と一言添え、手書きのメッセージを書き込めるような紹介カードをお渡しすると、お客様も気持ちよく友人に紹介しやすくなります。
地域のイベントへの参加や協賛
地域のお祭りやマルシェ、フリーマーケットといったイベントへ参加・協賛することも、未来の顧客となる地域住民との貴重な接点となります。 サロンの存在を知ってもらい、親近感を持ってもらう絶好の機会です。
例えば、イベント会場にブースを出展し、「キッズ向けヘアアレンジ体験」や「前髪カットサービス(500円)」などを提供することで、多くの人の注目を集めることができます。
施術をしながらお客様やそのご家族とコミュニケーションを取ることで、サロンの雰囲気やスタッフの人柄を直接伝えられるでしょう。その場で次回の来店予約に繋がる割引チケットや、シャンプーのサンプルなどを配布するのも効果的です。
また、直接ブースを出展するのが難しい場合でも、地域のスポーツチームや文化的な催しに協賛する形で関わる方法もあります。
パンフレットや看板にサロン名を掲載してもらうだけでも、地域に貢献する姿勢を示すことができ、間接的ながらサロンのブランディングと認知度向上に繋がります。
【リピート顧客向け】安定経営に繋がる美容室の集-客方法3選
美容室の経営を長期的に安定させるためには、新規顧客の獲得と同時に、一度ご来店いただいたお客様に再び足を運んでもらう「リピート集客」が極めて重要です。
新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるという「1:5の法則」は、マーケティングの定石として知られています。
つまり、リピート顧客を増やすことは、広告宣伝費を抑えながら売上を安定させる最も効率的な方法なのです。
この章では、お客様との信頼関係を深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための具体的な3つのリピート戦略を解説します。
次回来店を促す仕組みづくりとアフターフォロー
お客様が「またこのサロンに来たい」と感じるかどうかは、施術中だけでなく、施術後の体験に大きく左右されます。
お客様がサロンのことを忘れてしまう前に関係性を築き、自然な形で次の来店に繋げることが重要です。そのための具体的な仕組みづくりとアフターフォローの方法を見ていきましょう。
まず、最も効果的なのが、お帰りの際の「次回予約の提案」です。 髪型や髪質に合わせた最適なメンテナンス時期をプロとしてお伝えし、「次は〇月頃にカラーをすると、きれいな色が保てますよ」といった具体的な提案とともに、その場で次回の予約を促します。
その場で予約を入れていただくことで、お客様はサロンを探す手間が省け、サロン側は先の売上を見通せるという双方にとってのメリットがあります。
次回予約特典として、ささやかな割引やトリートメントサービスなどを提供するのも有効な手段です。
ご来店後の「アフターフォロー」も、お客様の満足度を高め、再来店を促す上で欠かせません。
数日後にLINEやメールで「先日はご来店ありがとうございました。その後のヘアスタイルの調子はいかがですか?」といったメッセージを送ることで、お客様は「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、サロンへの信頼感が高まります。
自宅でのスタイリング方法やヘアケアのアドバイスを添えることで、さらに満足度は向上するでしょう。
手書きのサンキューレター(DM)も、デジタルが主流の現代において温かみが伝わり、他店との差別化に繋がります。
顧客管理(CRM)ツールを活用した関係構築
お客様一人ひとりに合わせた最適なアプローチを実現するために、顧客管理(CRM)ツールの活用は今や必須と言えるでしょう。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
お客様の基本情報や来店履歴、施術内容、会話の中で得られた好みといった情報を一元管理し、お客様との関係性を深めるためのマーケティング活動に活かすシステムです。
CRMツールを導入することで、以下のような施策が可能になります。
機能 | 具体的な活用例 |
---|---|
顧客情報の一元管理 | 過去の施術履歴やカルテ情報を瞬時に確認し、前回の会話を踏まえたカウンセリングを行うことで、お客様に「覚えてくれている」という安心感と特別感を提供できます。 |
メッセージの自動配信 | お客様の誕生月に合わせたバースデークーポンの配信や、前回の来店から一定期間が経過したお客様への「そろそろメンテナンスはいかがですか?」といったごぶさたメールを自動で送ることができます。 |
データ分析 | 来店頻度や利用金額などから顧客を分析し、優良顧客を可視化することが可能です。 分析結果をもとに、ロイヤリティの高いお客様限定のキャンペーンを企画するなど、より戦略的なアプローチが実現します。 |
美容室に特化したCRMツールも数多く存在し、予約管理システムと連携しているものも多いため、業務効率化とリピート率向上の両方を実現できます。
会員制度やポイントカードで特別感を演出する
お客様に「このお店の特別な顧客であり続けたい」と思ってもらうためには、お得感と特別感を演出する会員制度やポイントカードが非常に有効です。
これらの施策は、お客様の来店頻度を高め、顧客の囲い込み(ファン化)を促進する効果が期待できます。
具体的な施策としては、まず「ポイントカード」が挙げられます。
来店ごとや利用金額に応じてポイントを付与し、貯まったポイントを割引や店販商品、特別なトリートメントメニューなどと交換できるようにします。
近年では、紛失の心配がなく、プッシュ通知でキャンペーン情報などを送れるアプリ型のデジタル会員証も主流になっています。
さらに、優良顧客向けの施策として「ランクアップ式の会員制度」も効果的です。
年間の来店回数や利用金額に応じて「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」といった会員ランクを設定し、ランクが上がるごとに割引率がアップしたり、先行予約が可能になったり、会員限定のプレゼントがもらえたりといった特典を用意します。
このような仕組みは、お客様の「もっと上のランクを目指したい」という心理を刺激し、継続的な来店動機に繋がります。
美容室の集客方法を選ぶ際の注意点
ここまで様々な集客方法をご紹介してきましたが、全ての施策があなたの美容室に最適とは限りません。
やみくもに試すのではなく、自店の状況に合わせて適切な方法を見極めることが成功への鍵となります。ここでは、集客方法を選ぶ際に必ず押さえておきたい5つの注意点を解説します。
施策にかかるコストとリソースを把握する
集客施策には、金銭的なコストだけでなく、時間や手間といった人的リソースも必要です。
魅力的な施策であっても、予算やスタッフの負担を考慮せずに始めると継続できず、中途半端な結果に終わってしまう可能性があります。
まずは、それぞれの施策にどれくらいの費用と労力がかかるのかを具体的に把握しましょう。
例えば、代表的な集客方法のコストとリソースの目安は以下のようになります。
集客方法 | 主なコスト | 必要なリソース(手間) | 特徴 |
---|---|---|---|
MEO対策(Googleビジネスプロフィール) | 無料(代行業者に依頼する場合は有料) | 定期的な情報更新、口コミへの返信、写真投稿など | 地域性の高いユーザーに直接アプローチ可能。即効性も期待できる。 |
美容ポータルサイト | 掲載料(プランによる)、成果報酬 | サロン情報の登録、ブログ更新、スタイル写真の投稿など | 高い集客力を持つが、価格競争に陥りやすい側面もある。 |
無料(広告出稿は有料) | 写真や動画の撮影・編集、定期的な投稿、コメントやDMへの対応 | ビジュアルでの訴求力が高く、ブランディングに繋がりやすい。 | |
チラシ・ポスティング | デザイン制作費、印刷費、ポスティング代行費 | デザインの考案、配布エリアの選定、業者とのやり取り | Webを利用しない層にもアプローチ可能。配布エリアを絞れる。 |
オーナー自身が全ての作業を行うのか、スタッフに協力してもらうのか、あるいは外部の専門家に依頼するのかによっても、必要なコストやリソースは大きく変わります。
自店の体力に見合った、継続可能な計画を立てることが何よりも重要です。
ターゲット顧客層と媒体の相性を見極める
集客を成功させるためには、「誰に情報を届けたいのか」を明確にし、そのターゲット層が日常的に利用している媒体を選ぶ必要があります。
例えば、トレンドに敏感な10代~20代の若者層にアプローチしたいのであれば、InstagramやTikTokといったビジュアル中心のSNSが非常に有効です。
一方で、40代以上の落ち着いた客層を呼び込みたい場合は、地域のフリーペーパーや情報誌、あるいは丁寧な情報発信を行うホームページやブログの方が心に響くかもしれません。
自店のコンセプトや得意なスタイルと、ターゲット顧客のニーズが合致する媒体を選ぶことで、集客効果は格段に高まります。
効果測定の方法を事前に決めておく
集客施策は「実行して終わり」ではありません。
投じたコストや労力に対して、どれだけの効果があったのかを検証し、改善を繰り返すことが不可欠です。 そのためにも、施策を始める前に「何を」「どのように」測定するのかを決めておきましょう。
効果測定の指標(KPI:重要業績評価指標)は、難しいものである必要はありません。以下のような、シンプルで具体的な指標から始めてみましょう。
- Googleビジネスプロフィールの「電話」ボタンが押された回数
- Instagramアカウントのプロフィールへのアクセス数
- ホームページの予約フォームからの予約数
- チラシを持参して来店したお客様の数
- 「何をご覧になってご来店されましたか?」というヒアリングへの回答
これらのデータを地道に集めて分析することで、どの集客方法が自店にとって有効なのかが客観的に判断できるようになります。
効果の高い施策にリソースを集中させ、効果の低い施策は見直すといった改善サイクルを回していくことが、効率的な集客活動に繋がります。
広告表現に関する法令やルールを遵守する
集客活動を行う上で、法律や規制の遵守は絶対条件です。特に美容室の広告では、「景品表示法」と「薬機法(旧薬事法)」への配慮が求められます。
知らなかったでは済まされない重要なポイントであり、違反した場合はペナルティが課される可能性もあるため、正しい知識を身につけておきましょう。
景品表示法(景表法)
これは、商品やサービスの品質や価格について、実際よりも著しく優良または有利であると誤認させるような不当な表示を禁止する法律です。
例えば、合理的な根拠なく「日本一のカット技術」とうたったり、「今だけ半額」といった二重価格表示を不適切に行ったりすると、景品表示法に抵触する恐れがあります。
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)
化粧品やシャンプー、育毛剤などを店内で販売している場合、医薬品と誤解されるような効果効能をうたうことは薬機法で禁止されています。
例えば、「このシャンプーを使えば髪が生える」「シミが消える」といった表現は認められていません。
また、施術サービス自体は薬機法の直接の対象外ですが、広告表現全体が消費者に誤解を与えないよう注意が必要です。
広告表現に不安がある場合は、消費者庁が公開しているガイドライン等を確認することをおすすめします。(参考:消費者庁「景品表示法」)
短期的な成果と長期的な資産構築のバランスを意識する
集客施策は、その効果が現れるまでの時間軸によって大きく2種類に分けられます。
- 短期的な施策(フロー型):リスティング広告や美容ポータルサイトへの掲載など、費用をかければ比較的すぐに効果が出やすいものの、施策を止めると集客効果もなくなってしまうもの。
- 長期的な施策(ストック型):SEO対策を施したホームページやブログ、SNSアカウントの運用、顧客との信頼関係構築など、効果が出るまでに時間はかかるものの、一度育て上げれば安定した集客を生み出す「資産」となるもの。
開業直後や、急いで新規顧客を獲得したい時期には短期的な施策が有効ですが、それだけに頼っていると常に広告費を払い続けなければならず、経営を圧迫する原因になりかねません。
経営を長期的に安定させるためには、短期的な集客で目の前の売上を確保しつつ、将来の資産となる長期的な施策を並行して育てていくという視点が非常に重要です。
自店のフェーズに合わせて、両者のバランスを常に意識しながら集客戦略を組み立てていきましょう。
まとめ
本記事では、美容室の集客方法をオンラインとオフライン、新規とリピートの視点からご紹介しました。
集客成功の鍵は、自店の強みとターゲット顧客を明確にし、複数の施策を戦略的に組み合わせることです。
例えばGoogleビジネスプロフィールやInstagramで新規顧客の認知を獲得し、LINE公式アカウントでリピートを促すなど、一貫した流れを構築することが重要になります。
この記事を参考に、あなたの美容室に最適な集客プランを立て、実践していってくださいね。